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相談したわけでもないのに自然と 互いにメンバーには悟られないように こそこそと仕事場を後にして目的の店の個室へ滑り込んだ
別にやましいことは何もないのに、二人っきりということがなんとなく照れくさいのはきっとお互い様
「適当に頼んでいい?」
そういって、タッチパネルのディスプレイを見つめた北山
しばらくすると俺たちの前に ソフトドリンクが運ばれてきて
自分は飲んだって話せるくせに、きっと俺の雰囲気からまじめな話なんだと察知して
ノンアルを頼んでくれたんだろう
そういうところも 何だか北山らしい
「なんか、あったんだろ?」
テーブルに注文した料理が並んだのを確認して、北山がグラスを口に運びつつ俺のほうを見た
「あ・・うん、まぁ」
「仕事の事?もしかしてまた寝れてない??」
上目づかいで俺のほうを窺う様子に、不安げな色が透けて見えて、思わず否定する
「いや、俺じゃない!」
「え?そうなの??」
「俺じゃなくて・・・ニカのことなんだけど」
俺の言葉にふと、北山の箸を持つ手が止まった
「最近、元気ない気がして、この間のラジオ収録の時それとなく聞いてみたんだけど・・はぐらかされるし、北山ならなんか知ってるかと思って」
「あぁ・・」
北山の声色で、コイツも気づいていたんだなと確信する
何故か自然と身についてしまった 北山の心を読む癖
別に、顔色を窺っているわけじゃないけれど、ずっと昔から一緒にやってきているからか、
何を思って何を考えているのか 言葉を交わさなくても、大体のことはわかるようになってきてしまっただけ
「北山もわかってたんだ・・」
「ん・・まぁなんか最近やけに静かだし、ぼうっとしてるなと思うことはあったけど、でも笑顔でメンバーとじゃれてるときもあるし、ニカが特に何も言ってこないから、もう少し様子見てようかなと思ってた・・・」
「そっか・・」
昔の北山だったらきっと、気づいたらすぐに声をかけたに違いない
でも、俺たちも気づいたらだいぶ大人になっていいて、少し離れたところから見守るっていう選択肢が増えたんだと思う
末っ子たちが大人になったように見えるだけじゃなく、ちゃんと、俺たち年長組も成長できてるってことかな
「でも、藤ヶ谷が俺に言うってことは、積極的に話聞いてやったほうがいいんじゃないかって思ってるってこと?」
「・・・」
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ピンクピーチ(プロフ) - えみさん» ありがとうございます^_^まだ序章ですが、これからもドキドキハラハラしていただけるよう更新していくので、お楽しみくださいませ!! (2019年9月22日 11時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
えみ - ハラハラもあり恐怖感もあり、すっごく気になるお話ですね!!おもしろいです!!続き楽しみにしてます(*´∇`*)応援してます!!! (2019年9月22日 1時) (レス) id: 593c5b68c6 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - 北山アマージョさん» ハラハラしながら、楽しんでいただけたら嬉しいです^_^以前から、お気にかけて下さりありがたいです!!これから、本編も盛り上がって行くので、引き続きよろしくお願いします^_^ (2019年9月20日 22時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
北山アマージョ(プロフ) - こんばんは!今までとは趣きの違うお話しハラハラします!怖いですが、楽しみにしてます!以前も何度もリクエストさせて頂いてたんですが、ニックネーム変えてしまったのですみません。 (2019年9月20日 21時) (レス) id: eca4a61663 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年9月12日 17時