検索窓
今日:4 hit、昨日:21 hit、合計:200,519 hit

side Ki ページ27

狭い、個室に通された俺たちに、淡々と向けられた医者の言葉


「混入された毒物は、ただいま解析中ですが・・おそらく神経毒性の強いモノでしょう。症状が嘔吐と、痺れ。軽い呼吸困難も見られました。致死量にいたらない程度のものでしたが、場合によっては後遺症を残す可能性もあり得る毒物です。
幸い皆さんには、現段階ではっきりとした症状がみられないため軽度の麻痺症状で済みましたが、念のため3日ほどは入院して経過を見させていただきます。そして、もう一つ」



俺も、藤ヶ谷も、横尾さんもマネも

みんな黙って医者の言葉の続きを待った



「これは立派な犯罪です。医師は、事件性のあるケガ、病気は警察に届ける義務があります」


「警察・・」


その言葉に、俺も含め、ここにいる全員の表情が凍った



こういう仕事をしている以上、マイナスなことで記事になるのはマズい
マスコミに情報が流れるのは、避けたかった


「わかりました」


口火を切ったのは、マネージャーだった


「大石さんっ」

「仕方ないでしょう。マスコミには嗅ぎつけられないように・・慎重に対処します。
皆さんは心配しないでください」



その言葉に、黙るしかなくなった俺たちは、誰一人一言も発さぬままに立ち上がる

最後に、宮田と、まだ目を覚まさない末っ子たちの寝顔を見つめながらそっと病室を出た


「皆さん、家まで送っていきますから」


誰一人、重苦しい雰囲気のまま、タクシーに乗り込んだ



「藤ヶ谷さんからで、よろしいですか?」

「あ、ちょっと・・先に渉送ってやって」


その言葉に、また、横尾さんの冷たい視線が、一瞬俺のほうを向いた気がしたけれど、

またその視線を見つめた瞬間に、ふっと逸らされてしまった

side Ki→←side F



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (210 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
622人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ピンクピーチ(プロフ) - えみさん» ありがとうございます^_^まだ序章ですが、これからもドキドキハラハラしていただけるよう更新していくので、お楽しみくださいませ!! (2019年9月22日 11時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
えみ - ハラハラもあり恐怖感もあり、すっごく気になるお話ですね!!おもしろいです!!続き楽しみにしてます(*´∇`*)応援してます!!! (2019年9月22日 1時) (レス) id: 593c5b68c6 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - 北山アマージョさん» ハラハラしながら、楽しんでいただけたら嬉しいです^_^以前から、お気にかけて下さりありがたいです!!これから、本編も盛り上がって行くので、引き続きよろしくお願いします^_^ (2019年9月20日 22時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
北山アマージョ(プロフ) - こんばんは!今までとは趣きの違うお話しハラハラします!怖いですが、楽しみにしてます!以前も何度もリクエストさせて頂いてたんですが、ニックネーム変えてしまったのですみません。 (2019年9月20日 21時) (レス) id: eca4a61663 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年9月12日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。