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side T ページ14

「次は、藤ヶ谷さん乗せますね」


マネの大石さんの声で、ふっと顔を上げた



「んー」

「あれ、玉森さん、お疲れですか?」

「んーまーね、」

「これ、よかったらどーぞ」




運転席から、後ろ手に渡されたエナジードリンク

「あ、これ好き!」

「っていってたので。藤ヶ谷さんの分はないので、内緒ですよ〜」

「じゃー今飲まなきゃ!」


青色の缶のプルタブを開けると、プシュッと心地よい音がした

最近俺たちの担当になってくれた彼は、こうやって、仕事以上に俺たちを気遣ってくれて
その愛情がくすぐったくもあり嬉しかった


ドリンクを流し込むと、見慣れたマンションで車が止まった



「おはよ、はぁ・・」


「え、ガヤ寝不足?」


「ん、あぁまーな」


「これ、藤ヶ谷さんの分です」


大石さんが差し出したカフェオレは、ガヤがよく飲んでいるモノのようだった


「あ、俺の好きなの!」

「えー俺だけ特別じゃなかったの!」


俺が口をとがらせると、みんな平等ですよと笑って見せた


「大石さんさー、若いのに気が利くし、なんで俺たちのお守なんてやってるのー?」

「ガヤひどっ!」

「ふふっ・・以前は、TV局関係の仕事していたんですけどね、皆さんのお近くで支えたくて」

「へー」

「尊敬してた、先輩が辞めちゃって・・それで心機一転って感じですけど、楽しいですよ」




そういった大石さんは柔らかく笑ってくれた
こういう大人ばかりなら、仕事だってきっとやりやすいんだろうな

そんな、ふんわりしたことを考えながら、また車のシートにもたれた



隣のガヤを見ると、少しとろんとした表情で、カフェオレを飲みながら、目を伏せていた


「ん」

「いいや、」


そんな日常を、眺めながら、今日の昼ごはんは何にしようかなと、呑気に思いを巡らせていると


「玉、なあんだよっ」


そういいながら、俺の脇腹をつつくガヤに、笑顔になった


こんな毎日は、俺達の日常だった

そう思っていた

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ピンクピーチ(プロフ) - えみさん» ありがとうございます^_^まだ序章ですが、これからもドキドキハラハラしていただけるよう更新していくので、お楽しみくださいませ!! (2019年9月22日 11時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
えみ - ハラハラもあり恐怖感もあり、すっごく気になるお話ですね!!おもしろいです!!続き楽しみにしてます(*´∇`*)応援してます!!! (2019年9月22日 1時) (レス) id: 593c5b68c6 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - 北山アマージョさん» ハラハラしながら、楽しんでいただけたら嬉しいです^_^以前から、お気にかけて下さりありがたいです!!これから、本編も盛り上がって行くので、引き続きよろしくお願いします^_^ (2019年9月20日 22時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
北山アマージョ(プロフ) - こんばんは!今までとは趣きの違うお話しハラハラします!怖いですが、楽しみにしてます!以前も何度もリクエストさせて頂いてたんですが、ニックネーム変えてしまったのですみません。 (2019年9月20日 21時) (レス) id: eca4a61663 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年9月12日 17時

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