意地っ張りな君へ

side Ki ページ4

「せっかく・・気持ちが通じたと思ったのにな・・」

「どれくらい経つん？」

「んー、正式にこうなったのは、半年くらい？」



グループの節目を迎えて いろんなことが上手くいって
また７人でこれからも頑張っていこうってなった時だった


藤ヶ谷のほうから 気持ちを伝えてくれて

そんな奇跡みたいなこと 絶対に起こらないって思っていたけど



ずっと藤ヶ谷のことが好きだった俺は
いろんなしがらみがあることもわかっていたけど、そんなネガティブなことを考える間もなく
その言葉に そっこーで飛びついた



俺もその時期は忙しかったし 会えない時間も多かったけど


それならって言って 藤ヶ谷の家にほぼ転がり込むような形で
今は半同棲に近い

けれど、立場上 俺の部屋を解約するわけにもいかなくて

週のうち何日かは 自分の家へ帰っては 必要な荷物を抱えて藤ヶ谷の部屋で暮らす生活をしていた



「北山から、会いたいって言えばいいだけやん？」


「忙しい人間に、そんなわがまま言えないだろ？」


「そんなん気にする性格か？」




アイツの負担にはなりたくない 束縛したくない

めんどくさいやつって思われたくない

でも 会いたい

いや、会いたいって言ってほしい

疲れたときは、真っ先に会いたいって言ってくれたら、どこへだって飛んでいくのに


「俺も、俺自身がこんなにめんどくさいやつだって思わなかったよ・・」

「何やなんや、辛気臭いな〜!まぁ今日は飲めや！！」



大倉が注いでくれたビールグラスを飲み干しながら
またため息をつく

何度目だろ・・・

もともと酒は 好きだけど

悪酔いでも こんな日にはちっとはマシになるのだろうか



「もう一本！あと日本酒も！！」

「暗くなっても仕方ないんやし、今日は朝まで付き合ったるで！！」

「お前、先につぶれんなよ？」



大倉の笑顔に助けられて 俺も自然と笑顔になる

もしかしたら藤ヶ谷が帰ってくるかもって ここ最近外食はせずに部屋で待っていることが多かった分
久しぶりの外での食事は 思いのほか箸が進み、同時に酒も進んだ

side Ki→←side Ki

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す