side F ページ15
そんなことはわかっているけれど、自分の身体の奥のほうから、じわじわと燃え上がる様に込みあがる負の感情に耐えきれず、
一刻も早くあの場所から北山を連れ出したくなった
北山が、俺の機嫌を気にして、怯えたような目で何度もこちらを見ていたことにも気づいていた
早く、家へ帰って、会えなかった分も、たくさんキスして抱きしめたい
今まで満たされなかった分、北山に愛されてるのは俺だけだって、全身で確認したかった
そう思うと、迎えに行く時以上にアクセルを踏み込む足に力が入った
家へ着いて、明るいライトの下で見た北山は、先ほどと変わらず、ほろ酔いの頬がやっぱり色っぽくって、今まで半年もかけて大事に大事に進めてきた関係を、
一気に超えてしまいたいくらいの衝動に駆られた
今まで北山と過ごす中で何度も、自分の欲望のままに抱いてしまいたいと思った
唇が腫れあがるほど、激しく口づけて、本能のままにその細い腰を抱いて、壊れるくらいに突き上げて、俺で感じて泣けばいい
俺しか見えない、俺にしか感じないように体に植え付けてやりたかった
だけど、あの綺麗な瞳に見つめられるたびに、大事にしたい、壊したくないという思いが葛藤して、臆病になってしまう
がっついてるって思われたくない・・
今更だけど、北山の前では、紳士的でいたかった
今までのことはもう、どうでもいい
だから、早く北山を感じて、今日こそは優しく、甘く、二人で朝まで愛し合えたら・・
そう思っていたのに
早く、俺だけのモノだって確かめたくて、強引に口づけて舌をねじ込んた
だけど、北山から香る、知らない香りに、俺の中で何かが壊れた
北山を連れ去っていったタクシーを見送って、
部屋に戻ると、先ほどまで北山がいた分、仕事終わりに電気の消えたここへ戻ってくる何倍もの寂しさがこみあげてきて
思わず泣きそうになった
雨に濡れたジャケットは、その重苦しい雰囲気を背負ったかのように、ずっしりと感じられた
冷えた唇は、さっき強引に重ねた北山の熱と感触を覚えている
目の前の北山を見たときに、我慢という名のメッキが一瞬ではがれた
早く北山を感じて確かめたかっただけなんだ
北山に愛されてるのは、この世で俺だけだって
そう、言ってほしかった
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ピンクピーチ(プロフ) - まほままさん» ありがとうございます!ハピエンありきの拗れ・・ダイスキデス(//∇//)FKの葛藤と、これから、お楽しみください! (2019年8月29日 9時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
まほまま(プロフ) - こんばんは、お邪魔致します。かく言う私もすんなりより拗らせ系すれ違い系大好物です。もちろんラストはハピエンが良いです(*´艸`)!これからも更新楽しみにお待ちしていますね。 (2019年8月28日 22時) (レス) id: 7707bec53f (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ゆうりんさん» お仲間がいて嬉しいです(・∀・)こじらせ→ハピエン→いちゃいちゃが大好きなドS作者ですが、更新お楽しみいただけると嬉しいです^_^ (2019年8月26日 19時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ゆうりん(プロフ) - すんなりハッピーエンドにならないのが好きな私もこじらせ系です(笑)でも今はかなり悲しい苦しい場面ですね……これがあってこそのハピエンだと思いながらも辛いですね〜。藤ヶ谷さん早めにみっくんに会ってあげて〜と祈りながら、次回を待ってます! (2019年8月26日 19時) (レス) id: 94839fccd9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年8月20日 13時