Ki 11 ページ27
「・・・」
俺の横で、楽しそうに目を細めてショーを見つめる藤ヶ谷の横顔は、俺が知っているモノなのに、夜の空気と、この夢の国の雰囲気のせいなのか、すっとよくとおった鼻筋が描き出す影さえ、絵になるほどに綺麗で、俺の胸は切なくなる
仕事という枠組みを取り去って、この距離でお前の横に立てるのは、次はいつかな?
煌めく光と、映し出される映像と音楽が夜空に溶け合ってファンタジーを見せる中、俺は藤ヶ谷の横顔だけを見ていた
なぁ、シンデレラ城よりも、お前のことを見てるのは、きっとここで俺くらいなんだろうな
そう思いながら、あっという間に過ぎ去った今日の日を思い返す
くだらねぇとおもっていたけれど、たまには、夢の国も悪くない
その名の通り、一時でも俺に夢を見せてくれたから
でも、ここを出て、またいつも通りの楽屋で過ごすと、お前は俺の事なんか見ずに、
ただその切れ長な視線を他へ向けてしまう
まだ、藤ヶ谷の側にいたいのに
ちがう
もっと、ずっと近くで
お前の隣に居たい
夢を見せるこの場所は、俺を欲張りにさせる
手に入れられないと思っていた夢の先を、欲しくさせる
「そろそろ、いく?」
ふと、藤ヶ谷がこちらを向いた
「え、でもまだ・・」
「最後までいると、人ごみ凄いから・・ほら、一応・・ね」
「あ・・そうだな」
名残惜しそうに、ライトアップされた映像を見つめながら、藤ヶ谷が踵を返し、俺も後に続いた
今日は楽しかったよ、ありがとう、また一緒に来ようね
そういえば、いいのに、俺はたったその一言が言えずに、藤ヶ谷の華奢な背中を見つめながら、半歩後ろを歩いて、ゲートを目指した
「・・・」「・・・」
何を、思っているのだろう
互いの間に流れる沈黙が、くすぐったい
「えーまだ、帰りたくない」
「だから、今日は泊まるだろー」
少し目の前を歩く、若いカップルが互いの腰に手を回しながら楽しそうにはしゃいでいた
ゲートを潜り抜けて、イルミネーションに彩られた、正面のホテルへまっすぐに歩いていく
そっか、普通のカップルなら、あーやってお泊りデートなんだろうな
そんなことを思っていると、そのカップルが互いを見つめあった
「え」
俺の視線の先で、ふと押し黙ったカップルが、不意にキスをした
そのまま、恥ずかしそうに微笑み合いながら、すっとホテルのエントランスへ消えていく
わぉ・・・若いってすげー・・
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ピンクピーチ(プロフ) - puuさん» ありがとうございます^_^またどこかで、二人の続きをかけたらいいなと思います!! (2019年10月14日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - 完結?おめでとうございます!気に入ってる作品も続きを書いてほしい作品も夢の国キスですー!!私も夢の国に関しては、KさんほどじゃないけどKさん寄りの考え方なので共感しながら読んでました。すれ違っていた2人がやっと両思いになったのでぜひ!続きが読みたいです (2019年10月14日 20時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - ちさん» 投票ありがとうございました!そして早速のコメント嬉しいです(≧▽≦)皆様の反応を参考にさせていただき、もしかしたら続く…かも?(笑) (2019年10月12日 20時) (レス) id: f1b41ec3ce (このIDを非表示/違反報告)
ち(プロフ) - 実は私が投票したものが素敵な短編に仕上がっていてとても感動です(涙)予想以上の仕上がりで普通に1つの作品として読みたくなりました(*^^*)本当にありがとうございます!これからも楽しみにしてます! (2019年10月12日 20時) (レス) id: 20a7b4a7e7 (このIDを非表示/違反報告)
ピンクピーチ(プロフ) - たまももさん» ありがとうございます!!執筆します^^ (2019年9月2日 10時) (レス) id: ef49e46d66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ピンクピーチ | 作成日時:2019年8月16日 14時