7flavor of kiss

夢から醒めても ページ17

リクエスト作品 夢の国でのキス

あっという間にお気に入り登録者様600名様、ありがとうございます！！
感謝です！！


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


「おはよー」


いつも通りの風景が広がると思い開けたその扉

いつも通りのメンバーが思い思いに過ごしているはずなのに、今日の楽屋の雰囲気は、
一歩足を踏み入れただけで、なんとなく引っかかるものがあった


末っ子たちは、いつも通りテンション高めで騒いでいるし、玉ちゃんは相変わらず緩ふわな雰囲気を纏ってくつろいでいる

あぁ、違和感の原因はアレか
楽屋の隅の、見慣れた細身のシルエットが醸し出す、空気感をピリッと肌で感じる


「ねー、アイツ、どうしたの？」


ソファにもたれかかっていた横尾さんに、目配せで合図すると、


「あ、ミツ気づいた？さすがだね」


なんて、俺を茶化すように、トレードマークの八重歯を見せて笑った






部屋の奥のほうで、スマホをいじりながら、明らかに不機嫌オーラ全開
アイツの周りだけ、空気違くね？

なんなら、眉間に皺寄っちゃってるけど・・？



普通なら、どうした？何かあったのか？

って、聞けばいいんだろうけど


そんな事も憚られるくらい、今のアイツには近づかないでくれオーラがビンビン出されていて
俺は遠くから、その細い背中を見つめた

いや、普段機嫌のいいときだって、俺はアイツのテリトリーになんて、入れてもらえやしない


アイツが、俺のほうを見ることなんて、ないに等しいんだから




「なに？アイツ仕事でなんかあったの？」


本人に聞けないから、仕方なく横尾さんの前に座って、小声で問いかけると、困ったように眉を下げながら
ぽつりと話し出した

「いやーそうじゃなくて」

「え、じゃぁなに？体調悪いっていうより、アイツ怒ってね？」

「あーうん、まぁ、そうね・・まぁ、太輔にしてみたら・・ね」



何とも歯切れが悪い返事

「なんだよ、言いづらいなら別に聞かねーけど・・」


「いや、太輔急遽仕事のスケジュール変更で、明後日の休みが木曜に移動になってねー、行けなくなっちゃったんだよ、夢の国」

「は？」


夢の国って、あれか、あの有名なネズミのテーマパークの事か？、言いよどむ横尾さんに食い気味に迫る

Ki 2→←Ki 11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す