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File43: ページ43

死角に立って、彼に注意を向ける。


何をするつもりなのか確かめようと
息を殺して夢中になっていると

背後から手が伸びてきて
口を塞がれる。



「……っ!」



昴さんっ!?


振り返った時にはもう

身動きが取れないように
身体を抑えられていて

身体が密着した瞬間
ほんのり煙草の匂いがした。


抵抗したくても
気付かれるかもしれないと思うと

一瞬たりとも動けなかった。



「Shh…」



口元に人差し指を添えながら
妖艶な笑みを浮かべる。


囁かれた刹那、
その吐息が耳に当たって

心臓が強く鼓動を打った。


彼に身体を預けているみたいに
密着しているから

それが伝わるんじゃないかって
気が気じゃなくて


早く放してほしい気持ちと
このままでいたい気持ちが交差する。


どうして彼女たちに
本音を話してしまったんだろう。


心の中に秘めておくって
決心したはずなのに、

告白する選択肢もあると言われて
決意が揺らいでしまった。

なんて情けない……。



扉が開いた瞬間、緊張感が走る。


出てきたのはコナンくんなのに

聞こえたのは
声変わりした男の声だった。


なるほど。
あの蝶ネクタイ、変声機だったのね。


コナンくんに初めて会った時
彼はジンを知っている様子だった。

彼が組織とどんな繋がりがあるのか
謎だったけれど、

今ようやくハッキリした。


コナンくんは、事件の謎が解けて
余程嬉しいのか足早に去っていった。

彼の姿が見えなくなるのを確認すると
昴さんは解放してくれた。


もう離れているのに
彼が触れていた部分はまだ熱を帯びていて

少しずつ冷めていくのが
とてつもなく寂しく感じた。


それを覆い隠すように
どうしてここにいるのか、と

昴さんをじっと見つめる。



「手荒な真似をしてすみません。

気になることがあって
確かめようと、ここに来たんですが

どうやら先約がいて
夢中だったようなので」



確かめたいこと?


蘭ちゃんと昴さんの会話で

工藤新一が自分のことを
あまり話さないように、と

言っていたのを思い出す。


もしかして、昴さんも
彼の正体を知らなかったの?



「“気になること”は
確かめられましたか?」

「ええ、まあ。
一つは解消されましたが」



その言い方は、他にもあると
言っているようなものだけど

他に何を確かめたいっていうの?

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 沖矢昴   
作品ジャンル:アニメ
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神楽(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます!少しずつになりますが、頑張って更新します(*'▽'*) (2021年7月15日 1時) (レス) id: 526cb756dd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年7月14日 7時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - マナさん» こんばんは! (2021年7月10日 20時) (レス) id: 526cb756dd (このIDを非表示/違反報告)
マナ - こんばんは… (2021年7月10日 18時) (レス) id: 55773c0381 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神楽 | 作成日時:2021年6月5日 22時

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