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File34: ページ34

後少しで約束の時間。

昴さんが作業に集中してる間に
こっそりと家を出た。


前に昴さんと来たことがある建物だ。

幼い姿に変わった志保と再会した、廃墟。


そこで落ち合う予定だった。



ーーーーカチャッ。


その音が聞こえてすぐ
両手を頭上に挙げた。

カツカツ、とヒールの音が建物内に鳴り響き
その音が段々と大きくなっていく。


……あの時とはまるで逆の立場だ。



「そのままゆっくりと振り向きなさい」



言われた通り、
両手を挙げたまま振り向く。


ベルモットの手には拳銃があり
その銃口は私に向けられている。

拳銃を構えた状態で
私が武器を所持していないか
入念に確認する。


彼女の視線が逸れた一瞬の隙を突いて

彼女の手首を掴んで、銃口を自分から逸らし
手首に衝撃を与えて、拳銃を取り上げた。


そして、中から弾を取り出して
拳銃は後ろに放り捨てた。


これでようやく、対等に話せる。



「……忘れていたわ。
あなたの教育係がギムレットだったこと。

彼女は武術にも優れていた。
まさか、あなたに
そんなことまで教えていたとはね。

そうまでして、娘を守りたいなんて」



「馬鹿馬鹿しい」とでも続けようとしたのか
彼女の言葉がそこで止まる。


傲慢な表情だった彼女は
珍しく眉を顰めていて

その心意は分からない。



「それで、私に何の用なの?

バーボンに頼んでまで
わざわざ私を呼び出すなんて」

「ずっと考えてたの。
私が組織に加わったこと」

「昔話でも始めるつもり?」

「まるで他人事ね。

私を組織に招き入れたのは
あなたじゃない、ベルモット」



忘れるわけない……。

今も、そしてあなたと初めて会った時も
私やお母さんと同じ、
プラチナブロンドの髪だったから。


あの時、あなたに声をかけられなかったら
私は組織に加わっていなかった。



「あら、そうだったかしら?
よくそんな昔のこと覚えてるわね」



組織に入ると
構成員は一分野に長けている人ばかりで

私のような何の取り柄のない人間が
組織にいるのは違和感があった。


じゃあ、なぜベルモットが
私を組織に招き入れたのか。



「実の娘が組織に入れば、
ギムレットは組織に居づらくなる。

そう思ったんじゃないの?」

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設定タグ:名探偵コナン , 赤井秀一 , 沖矢昴   
作品ジャンル:アニメ
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神楽(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます!少しずつになりますが、頑張って更新します(*'▽'*) (2021年7月15日 1時) (レス) id: 526cb756dd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新頑張ってください^o^ (2021年7月14日 7時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
神楽(プロフ) - マナさん» こんばんは! (2021年7月10日 20時) (レス) id: 526cb756dd (このIDを非表示/違反報告)
マナ - こんばんは… (2021年7月10日 18時) (レス) id: 55773c0381 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神楽 | 作成日時:2021年6月5日 22時

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