【名探偵コナン】裏切者はアイツのお気に入り (ページ4)

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その言葉に、
組織に噛みつこうとする狼の存在が頭をよぎる。

……まさか、ね。

でも、ただの子どもじゃないのは確か。

何者か分からないけど

彼は組織の存在を知っていて、
その情報を聞きたいというのは分かる。

「……どうしてそう思うの？」

「だって、ボクたちを巻き込まないように
慎重になってるから。

それにその怪我。

手当てしたとき、服に焦げ跡があったって
昴さんから聞いたよ。

もしかして
自分で撃ったんじゃない？」

恐ろしい子どもだ。

そこまで分かっているのに
私の口から聞きたいなんて。

無関係の人を巻き込みたくない
そう思っていたけど、

そうじゃないなら
もう降参するしかない。

「正解。

でも、私はNOCじゃなくて
逃げてきたの。
組織に留まる理由がなくなったから……」

夢でも見たあの光景が脳裏に蘇る。

右手に握ったリボルバーの感触が残っていて
震えを抑えようと、ぐっと右手に力を込める。

「コナンくんの言った通り

逃げる時に、わざと自分の腕を撃って
襲撃があったように見せたんだけど」

あの男を騙せたかどうか……。

「あの男に裏切者だと気付かれるのは
時間の問題でしょうね」

「あの男？」

「私の直属の上司。
長い銀髪、長身の黒尽くめの男」

すると、コナンくんは
目を丸くさせて、みるみる青ざめていった。

やっぱりこの子は
組織と繋がりがあるんだ。

お母さんが、ここを指定したのは
もしかしてこの子がいるからなの……？

じっとコナンくんを見つめる。

顎に指を添えて、何やら考え込んでいるが
私の視線に気付くと、

慌てて「じゃ、じゃあ……」と話し出す。

「お姉さんにも証人保護プログラムが
適用されるんじゃないかな。

ね！昴さん！」

「そうですね」

いつのまにか
沖矢さんがコーヒーを片手に立っていた。

今までいなかったのに
会話の内容を知ってるなんて、

まるで盗聴器を仕掛けて
別室で聞いていたみたい。

証人保護プログラムが
すんなり出てきたということは、
アメリカに伝でもあるのかな？

「すみませんが、お断りします。

私に残されたのは
両親からもらった名前だけなので」

「それじゃあ、奴らに見つかってしまうよ」

真剣な眼差しで、
小学生とは思えない強い口調だった。

情報を得るだけなら、
私のことは放っておけばいいのに。

彼らは守ろうとしてくれてる。

……もっと早くコナンくんに会えていたら、
二人とも今も生きてたかなぁ。