【名探偵コナン】裏切者はアイツのお気に入り (ページ23)

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「もう少しよ。
この先の角を右に曲がって
少し行ったところにいるわ」

「分かりました」

追跡眼鏡で位置を確認すると
工藤くんは移動していない。

どうやら、ここ数分の間
ずっと同じ場所にいるようね。

考えられるのは
犯人を連れ回していたのが彼で
車の中で犯人と何か話しているってことかしら。

犯人が凶器を持ってる可能性は高いから
彼が安全だと判断できないけど

もし彼の推理力で
この状況を切り抜けられるなら……。

「と、とにかく
このことを蘭くんに」

「まだやめておいた方がいいでしょう。
コナンくんがどういう状況か
分かっていません」

「そうですね。
連絡は現状を把握してからの方が」

その時だった。

ーーーーパァアアアンっ……！

そう遠くない場所で
銃声が鳴り響いた。

銃声っ……！！

車内にいる全員が気付き
車がその場で停止した。

「今、銃声のような音が……」

どこっ！

一体どこなの……！

銃声の影響で最悪な状況を連想して
無我夢中で彼の居場所を確認する。

すぐ近くの道を横切って
大通りに向かって走ってる……？

すると、丁度
目の前を走り去っていく車が目に映った。

画面に表示される位置と
照らし合わせて再度確認し
あの車で間違いないと確信を持つ。

「あの車よ！
あの車に江戸川くんが乗っているわ」

「青い小型車、ナンバーは2940！
博士、早く毛利さんに連絡をっ！」

「へ！？警察じゃなくて？」

「事の経緯を正確に警察に
説明できるのは彼らのみ。

車種と色とナンバーを伝えて
検問を張れば、止められますよ」

「じゃが、人質を盾に検問を突破されたら？」

「その時は……。
力づくで止めるのみ、ですよ」

その瞬間、
沖矢さんの纏う空気が一変した。

組織の人間から感じる、あの気配……。

人間の本能が無意識に警告しているのか
一気に鳥肌が立ち、

恐怖と緊張で頭が支配されて
金縛りに遭ったかのように
身体が動けなくなる。