パパが治してあげようね *ARS* 9 (ページ16)

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斗真先生の診察　4　(結心) ページ16

潤Side

雅にぃと家に帰ってくると
リビングでゆいちゃんがビービー泣いていた。

布団の上に寝かせたゆいちゃんの頭を智にぃが押さえて
和にぃが身体を押さえながらペンライトを構えている。

説得して泣かせずに終わらせようと思ったけど上手くいかなくて
仕方なく強行突破したって感じかな。

和「はいはい、おしまいね。
よーし、頑張った～。やだったね、もうやらないよ」

智「いいな～、ゆいちゃん。和くんの抱っこだ。
ちゃんと頑張れたからジュースあげようね～」

和にぃに抱き上げてもらってこれでもかってくらい
ぎゅっと抱きついているゆいちゃん。

こんなに泣くほど嫌なことをされたあとなのに和にぃのことを怖がらないのは
2人が上手いことやってくれてるからなんだろうね。

全身押さえられながらも優しさを感じてるから。

内科医コンビの安心感はすごいよな。

俺にもわかるよ、ゆいちゃん。
そうやって抱きつきたくなる気持ちがさ(笑)

智「お、帰ってきてたんだね。おかえり」

和にぃに揺らしてもらっているゆいちゃんの頭を撫でた智にぃが
ようやく俺らの存在に気付いてくれた。

雅にぃなんて泣いてるゆいちゃんを見て
思いっきり眉毛をハの字にしてたから。

「なんで雅紀が泣きそうな顔してるの」って智にぃに笑われてた。

潤「ゆいちゃん、まだ鼻水止まらないの?」

智「うん、止まるどころか酷くなってる。
ちょっと黄色くなってきたから、バイキンにやられちゃったかもね。
熱も出てきたし、今夜は大変そうだよ」

そっか…悪化しちゃったか…
昨日まではあんなに元気だったのにね。

和にぃにしがみついていたゆいちゃんも今ではグッタリ。

ソファーに座った和にぃの胸に寄りかかってグズグズしている。

鼻をかませたいみたいだけど
首を振るだけでまったく言うことを聞いてくれないみたい。

これはだいぶ機嫌が悪いとみた。

よし、こんなときこそ、あれだよな。

潤「ゆ～いちゃん。リンゴ、食べる?
ほら、うさちゃんだよ～」

最近のゆいちゃんのお気に入り。
リンゴで作ったうさちゃん。

和「おおっ、可愛い～。
よかったね、ゆいちゃん。
鼻かんでいただきますしようね」

潤「こっちがうさちゃんママ、こっちがうさちゃんパパ。
どっちから食べる?」

結「……ま、ま」

潤「はい、じゃあどうぞ。ちゃんと持ってね」

大好きなうさちゃんおおかげでだいぶ機嫌が戻ってきた。

俺も少しは役に立てて嬉しいよ。