パパが治してあげようね *ARS* 6 (ページ6)

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絶対安静　6　(和) ページ6

雅紀Side

和の入院に必要なものを家に取りに行って帰ってきたら、
智にぃがベッド横のイスに座って、
泣いている和の頭を撫でてやっていた。

調子が悪くて泣いてるのかと思ったら、
どうやら違うようで・・・

和「いたっ、く・・・んっ、うっ・・ない?」

智「少し我慢したら終わるよ?」

和「うぅっ・・・すっ、ぐ?」

智「うん。すぐ終わりにしようね。
頑張れそう?」

和「んっ・・・でき・・なっ・・」

智「・・・うん。
ちょっと鼻かもうか。」

和「ねぇ・・ひっく・・いた、い?」

智「ん～?
ちょっとの間我慢したら、おしまいだよ。
ほら、ちーんって。」

なんのことかはわからないけど、
和は不安そうな目で智にぃを見つめながら、
何度も同じ質問を繰り返している。

そんな和に、智にぃは何度でも答えてあげていて、
その声は、これほどまでに穏やかなのを
久しぶりに聞いたなってくらい優しい。

見た感じ、何かを説得してるんだろうけど、
どうやら痛いことをするみたいだし、
和に少しでも安心感を与えてあげようとしてるんだろうね。

イスに座ってる後姿を見るだけでも
安心できるくらいだもん。

和も智にぃの優しさを感じてるはず。

泣いてるわりに、呼吸は落ち着いてるし、
智にぃの話もちゃんと聞けてるしね。

和「こわっ・・もん・・」

智「うん。
すぐ終わる・・・怖いのは一瞬だよ。」

和「やっ・・だっ・・・」

智「大丈夫。
僕がね、上手にやってあげるから。
和が、頑張るよって言ってくれたら、
すぐ終わりにしてあげる。」

まだ和の口から肯定の言葉はでてないみたいだけど、
それでも智にぃは、
慌てずゆっくり和に付きあってやるつもりらしい。

智「ずっと怖いのは嫌だもんね～
早く終わりにしちゃおうね～」

それからしばらく和の涙を拭いながら
話し続けていた智にぃは、
ある時思いっきり和の頭を撫でて、イスから立ち上がった。

どうやら和の説得が終わったらしい。

智「雅紀、ちょっといい?」

智にぃに呼ばれた俺が聞いたのは、
まさかの言葉だった。

まさかそんなことを、和がやると言ったなんて・・・

そりゃ、説得に時間がかかるわけだ。