パパが治してあげようね *ARS* 6 (ページ44)

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えまーじぇんしー　8 ページ44

智Side

結「んっ……たいたいっ」

智「どこ痛い痛い?
ここかなぁ?」

ジュースとシロップの薬を飲み終えて
僕に横向きで抱かれているゆいちゃんは、
目に涙をためている。

身体を拭いて服も着替えさせて、
スッキリしたからこのまま寝かせようかと思ったけど、
どうやらお腹が痛くなってしまったようだ。

一気にジュース飲み過ぎたのかな。
冷たかったしね……

水分取ってくれるなら…って思ってたけど、
途中でとめてあげればよかったなぁ。

智「ぽんぽん痛いの?」

結「んっ…たい……ふぇっ…」

智「そっかそっか。
じゃあおまじないしてあげようね。
痛いの痛いの飛んでいけ～って。」

結「んぅ…てって?」

智「うん、そうだよ～
おててでね。なでなでって。」

頭が痛いときはおでこに、転んじゃったときは膝に。

痛いの吸い取ってあげるね、って言って、
いつも手を当ててあげてるから。

だから今日も白くて柔らかいお腹を優しく撫でるように、
痛いの飛んでけっておまじないしてあげた。

しばらくお腹を撫でながら
おしりのあたりをポンポンしてやっていると、
ゆいちゃんはすぐにうとうと。

眠りが深くなってきたころを見計らってリビングに戻ると、
すでにみんな眠っているようで、
リビングは静まりかえっていた。

みんなを起こさないように
ゆいちゃんを僕の布団に寝かせる。

……これでようやく一段落だ。

智「ふぅ……あっ、ごはん…」

ちょっと一休み、と思ってソファーに座ったとき、
まだ食事を取っていないことを思い出した。

これだけ動いてまったくお腹がすかないことに、
つい苦笑いしてしまう。

ちょっとくらい食べておこうと思って鍋の中をのぞくも、
時間がたったせいで冷たくなった白い塊を
どうしても食べようとは思えず、
そのままふたを閉めて、またソファーに身を沈めた。

智「………ハァ……」

雅「ん……げほげほっ…んっ、げほっ!! うっ!!」

智「ん? まさき? 大丈夫?
横向いておこうね。ちょっと体動かすよ。」

息をはいて目を閉じたとき、
苦しそうな咳が部屋に響いて慌てて身体を起こした。

止まらなくなった咳にえずき始めた雅紀を横向きに寝かせ、
念のため顔の下にタオルを敷いてやる。

この中で一番の重症は、間違いなく雅紀だ。

熱も高いのに…

せめてゆっくり寝かせてやってくれ…って、
祈るように背中を撫で続けた。