パパが治してあげようね *ARS* 6 (ページ31)

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足の怪我　7　(潤) ページ31

潤Side

智「おまたせ。」

翔「潤、大丈夫か?」

潤「えっ…翔にぃ!?」

翔「ほらほら、動かないで。
そのまま寝てな?」

智にぃと一緒に翔にぃの声が聞こえて
慌てて身体を起こすと、
すぐに肩を押されてストンと後ろに倒された。

肩に触れたまま、
翔にぃが俺の横にしゃがみこんで顔をのぞきこんでくる。

翔「よくこんなになるまで我慢してたなぁ。
これ、相当痛かったろ。」

腫れた指をチラッと見たかと思ったら、この言葉。

なぜか翔にぃが泣きそうに眉を下げてるから、
俺まで泣きそうになる。

潤「んっ…ごめっ……」

翔「ん、そうだな。
もうちょっと早くに言えればよかったな。」

一応、これでも早めに言ったつもりなんだけど…

でも、それでもまだ遅かったってことか…

翔「ちゃんと傷見ときたいから、少し触るぞ?
痛いかもしれないけど、ちょっと我慢してな?」

俺の髪をくしゃって撫でた翔にぃは、
足元に移動して足首と足の裏に手を置いた。

それだけで身体がビクッと反応してしまう。

痛みを想像しただけで、親指に神経が集中して、
ズクズクと疼き、気持ちが悪い。

智「まさか化膿するとは思ってなかったからさ。
抗生剤飲ませておくべきだったね…」

翔「うん…意外と傷が深かったか…
ここな…ちょっと厄介だよ…」

足元で聞こえてくる会話に、
心臓がドクンドクンと脈打ち始める。

静かに話している2人の声色が重苦しくて、
けっこうやばい状態なんだなって思ったら、
おとなしく寝ていることなんてできなかった。

潤「ね、ねぇ…」

翔「ん? どうした?」

潤「いや…なかなか、触らないから…」

翔「ん? 痛くなるの待ってた?(笑)
じゃあ今から、ちょっとだけ痛いことするな?」

潤「えっ……あぁっ!!」

俺が上半身を起こすと
翔にぃはパジャマ代わりのロングTシャツを腕まくりしていて、
何が始まるんだと思ったら、まさかの宣告をされた。

待っていたわけがない、と否定する暇も、
やめて、とストップをかける暇もなく、
翔にぃが触れた親指に激痛が走る。

どうやら爪を上から圧迫されたらしい。

翔「ごめんな…もっかい我慢ね。」

潤「あっ…う゛…っ…う゛…」

爪と皮膚の間を広げられて、
あまりの痛みに声がでなかった。

実際はちょっと引っ張っただけなんだろうけど、
マジで爪剥がれたかと思った…

思わず確認しちゃったもん。
俺の爪の安否。