パパが治してあげようね *ARS* 6 (ページ47)

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えまーじぇんしー　11 ページ47

翔Side

翔「智にぃ!!……わかる? 智にぃ!!」

抱き上げてきた智にぃを俺の布団に寝かせて、
意識があるか確認するために
肩をたたきながら声をかけてみる。

できるだけ声を抑えて耳元で呼んでいたけど、
騒がしかったのかみんな起きてしまった。

こうなるのが嫌で
2階のベッドに連れて行こうかと思ったんだけど、
さすがに階段をのぼる体力まではなかったから…

まっ、いつまでも隠し通せるわけないし、
これでよかったのか…

雅「さとにっ…どうしたの?」

和「えっ…智にぃ?」

俺と智にぃの周りに、
泣きそうな弟たちが集まってきた。

Aは寝起きでグズグズのゆいをあやしながら、
心配そうにこちらを見ている。

和「どういうこと…翔にぃ」

翔「…脱衣所に倒れてた。
いつからそこにいたのかはわからないけど…」

潤「そんなっ…
…あのとき…ちゃんと……おれ、が…」

荒い呼吸を繰り返して横たわる智にぃを見て、
潤の顔がどんどん青くなっていく。

智にぃに無理をさせたからって、
自分を責めているんだろう。

でもそれは、俺も同じだ。

たぶんここにる全員、そう思っている。

翔「潤だけのせいじゃないから……な?
今は智にぃを楽にしてやらないと。
謝るのは後だ。」

智にぃの呼吸と脈を確認しつつ
潤にそう言ってやったけど、
取り乱しているのか
智にぃを見つめながら首を振るだけ。

まずは落ち着かせなければ…と、
俺は潤を智にぃから少し離すことにした。

2階にでも行ってもらおうかと思ったけど、
ここから離れたくないと言って聞かないから
和にソファーに座らせてもらって、

まだまだ熱が高くてフラフラしている雅紀も、
布団の中に入っているように説得した。

翔「智にぃ!! 聞こえる? 目開けて?」

智「ん…っ……」

翔「智にぃ!!」

智「ん……しょ…お…?」

智にぃが微かに首を動かしたのを見て
大きめに声をかけると、
ゆっくりと開いた目が、ぼんやりと俺をとらえた。

智「あれ…?
ぼく……寝てた?
あぁ……ん～、いたいね……」

きょろきょろと周りを見渡した智にぃは、
頭に手を当てながら、割れそうだって、力なく微笑んだ。

これだけ高い熱出して、激しい頭痛に襲われてて、
こんな状態で笑えるなんて…

俺らを気遣っているんだろうな。

智にぃが無理に笑っていることはわかってる。

でも、目を覚ましてくれてたこと、
嘘でも笑ってくれたことに、
俺は心の底からホッとしていた。