パパが治してあげようね *ARS* 6 (ページ19)

今日:27 hit、昨日:39 hit、合計:902,872 hit

しょーちゃん、行っちゃダメ!!　7　(結) ページ19

智Side

翔「ごめんよ～、ゆいちゃん。
もうお仕事に行かなくちゃ。
また夜になったら戻ってくるから。ね?」

あれからゆいちゃんは翔から離れてくれなくて、
朝食も取れないまま出勤の時間になってしまった。

抱っこから降ろそうとすると
すごい勢いで泣いて、思いっきりむせるから、
また抱き直して背中をポンポンする・・・

ずっとそれの繰り返しだったから、
翔は手があかなくて。

しょうがないから、僕らで髪を直してやったり、
服の着替えを手伝ってやったりして、なんとか準備を終えた。

そんなことしてたから、もう時間はギリギリ。

これ以上時間をかけると遅刻するから
無理やり翔から引きはがしたんだけど、

ジタバタ暴れて腕からすり抜けたゆいちゃんは
翔を追いかけて玄関まで走っていってしまって・・・

結「やーー!! いっちゃめっ!!
おしょと、めっ!!」

翔「おぉっ・・・」

靴を履く翔の背中にしがみついちゃって、
行かないでって訴える。

さすがの翔も、
これには身動きが取れないようで苦笑いだ。

翔「ゆいちゃん、俺これから病院行くんだよ?
一緒に行ってもしもししてもらう?」

結「やーやっ!!」

翔「じゃあおうちで待ってて?
翔ちゃんだけ行ってくるから。」

結「めっ、めっ!! いかなーの!!
しょーちゃも、いっちゃめっ!!」

翔「ちょ・・智にぃ。
俺、もう・・時間が・・・」

智「うん。大丈夫だから。
早く行って? あとは僕が何とかしておくから。」

翔「ごめん・・・
ゆいちゃんも、ごめんね。
また帰ってきたら抱っこしようね。
じゃ、行ってきます。」

智「いってらっしゃい。」

潤「あっ、待って翔にぃ!!
はい、これ後で食べて。」

翔「おっ、さんきゅ～」

潤からラップに包まれたおにぎりを受け取った翔は、
ゆいちゃんの頭を撫でてから慌てて家を出ていった。

取り残されたゆいちゃんは、
手足をバタつかせながら大泣き。

相変わらず、僕らには理解してやれない言葉を叫んで、
挙句の果てには裸足で玄関に出てしまっている。

ドアノブに必死で手を伸ばして、翔の名前を叫んで・・・

なんで急にこんなことになったのかも、
ここまで翔に執着するのかも、まったくわからない。

僕ももうすぐ家を出ないといけないんだけどな・・・

このままじゃ置いていけないなぁ。