パパが治してあげようね *ARS* 5 (ページ39)

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食べたくない　4　(雅) ページ39

智Side

結「ゆーいーがーやーるぅー!!」

ベッドの横でジタバタしながら叫んでいる姫。

なんとも元気がいいこと(笑)

そもそも、なんでこんなことになったのかというとね・・・

翔「ごめん。
俺が連れてくるタイミング間違えた・・・」

数分前、僕が雅紀にご飯を食べさせようとしているときに、
翔がゆいちゃんを連れてきちゃったんだ。

翔はすぐ引きかえそうとしたんだけど、
ゆいちゃんはそれを許してくれなくて。

なんだか昨日から、
やけに雅紀に会いたがってるみたいだしね。

辛そうな雅紀に、
付き添っていてあげたいのかな。

だとすれば、そんなゆいちゃんの優しさが、
僕は嬉しかったりする。

わがままな姫に振り回されてる翔は大変そうだけど(笑)

智「ゆいちゃん、食べさせてくれるの?」

結「うん!! やるぅ～」

翔「ちょっと・・大丈夫なの?」

智「大丈夫だよ。
ね、雅紀。ちょっと食べてみよう?」

さっきまでいくら食べようって言っても聞いてくれなかったから、
ゆいちゃんからなら食べてくれるかなって。

潤に聞いたら、
昨日の昼もほとんど食べてなかったらしいし。

もちろん夜だって食べてない。

さすがに少し栄養取らないと、
治るもんも治らなくなっちゃうからね。

智「少しだけでいいから。ね。
あーん。」

結「あーーん」

座っててもフラフラしている雅紀を僕に寄りかからせて
ほっぺたをポンポンってたたいたら、
わずかにだけど口を開けてくれた。

さすが、ゆいちゃんパワーはすごいね。

翔「ゆっくりだよ、ゆい。
そーっと、あーんしてあげて?」

スプーンを握ったゆいちゃんの手を翔が持って、
上手く誘導してくれてる。

口に入れるおかゆの量も調節してくれてるから、
僕も安心していられるよ。

さすがに全部ゆいちゃんに任せちゃうと、
ちょっぴり心配だから(笑)

結「おいちー?」

雅「ん・・・おいしぃ・・・」

雅紀が小さく笑ってくれたのが嬉しかったのか、
ゆいちゃんはもう一口食べさせようとしている。

雅紀はもう限界なのか、
お腹にまわされている僕の腕を弱々しく掴んできたけど・・・

智「もうちょっと食べておこう?
元気でないよ?」

さすがに一口では少なすぎるから、
横を向いて拒否する雅紀の顔を正面に向かせた。

でも、ここで無理をさせてしまったせいで・・・

雅紀はよけいに苦しむことになってしまったんだ。