パパが治してあげようね *ARS* 5 (ページ41)

今日:18 hit、昨日:18 hit、合計:870,170 hit

食べたくない　6　(雅) ページ41

翔Side

雅「ばか・・ばかっ・・うぅっ・・」

智「ごめんごめん。痛かったね。」

翔「これで頭痛いの楽になるから。
頑張ったよ。えらかった。」

病院に着いてさっそく採血と点滴をされた雅紀は
布団にもぐって拗ねている。

いきなり注射をされたことと、
入院しなければならないことに納得がいかないらしい。

雅「もうや・・だ・・・」

智「うん。もうやらないから。」

雅「んんー、やだっ・・・」

智「あぁ雅紀、針が抜けちゃうよ。」

もう処置は終わったというのに
雅紀が無理やり腕を隠そうとするから、管が引っ張られてる。

針、抜けちゃったら大変なんだよ。
入れるの超苦労したんだから(笑)

最初は俺がやろうと思ったんだけど、
脱水のせいかなかなか良い血管が見つからなくて。

長いこと唸ってたら智にぃが代わってくれてさ。

嫌がる雅紀の腕を俺が押さえてるうちに、
智にぃが指で血管触りまくってなんとか探してくれたんだ。

珍しく無言で真剣な顔してたから、
本当に難しかったんだと思うよ。

それでも一番痛くないところに
一発で決めちゃうんだから、すごいよね。

俺だったら、多少痛みは増しても、
確実に入れられるところにしちゃってたかも。

智「雅紀もう寝ちゃった。
ほんとに体力落ちてんだなぁ。」

翔「点滴だけじゃ、もう間に合わないと思うよ。
少しずつでも口から栄養取ってもらわないと、
このまま弱っていくだけだしさ。」

智「う～ん・・何か考えないとね。」

雅紀が食事を取ってくれないのは、
口内炎とトラウマに加えて、
身体がだるいことによる食欲不振もある。

昨日は、ほんとにわずかな量のおかゆを口に入れてくれたけど、
吐き気を催してすぐに出してしまったし。

またあの時のように苦しくなったらと思うと、
身体が無意識のうちに拒否してしまっているんだろうね。

だからまずは口内炎を治してやって、
後はできるだけ体調を戻して、
食べ物を受けつける準備を整えてやらないと。

翔「またすぐ、からあげ食わせてやるからな?」

智「からあげかぁ。まだ早いなぁ(笑)
まずは、おかゆから食べられるようにならなきゃね～」

少し痩せてしまった雅紀の身体に触れながら、
俺は、冗談言ってるんじゃないんだぞって小さくつぶやいた。

一日でも早く雅紀に美味しいものを食べさせてやりたい。

口いっぱいに頬張って、幸せそうな顔で笑ってる。

それでこそ、雅紀だもんな。