パパが治してあげようね *ARS* 5 (ページ30)

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0歳のママ　7 ページ30

智Side

夜、静かになった部屋で僕らは一緒に眠った。

僕と、Aと、お腹の中の赤ちゃんと、3人で。

お腹を大事に抱え込むようにして
穏やかな顔をして眠るAに、
僕もようやくほっと胸を撫で下ろした。

たくさん泣いて、スッキリしたかな。

こうやって不安になることは、これからも何度もあると思う。

赤ちゃんが大きくなって、
お父さんがいない事実に気付くときが、必ずくるから。

衝突することだってあるかもしれない・・・

どうなるかは僕もわからないけど、
これは避けては通れないことだしね。

迷ったときは、家族の力を合わせればいいんだから。

Aはずっと、“わたし一人じゃ・・・”って言うけどさ、
僕らもいること、忘れてもらっちゃ困るよ(笑)

「んぅ～・・・」

智「ふふっ。可愛い寝顔。」

ちゃんと僕らに頼りなさいよ、って、
君のママは僕らが守るよ、って、

涙の痕の残る頬と小さな命の宿るお腹に、
そっと手のひらをあてた。

.

次の日からのAは、
また以前と同じように笑ってくれるようになった。

ただ、前よりももっと、
くっついてくるようになったけどね。

「しょーにぃ・・・・ここ痛い・・・」

翔「ん? 痛くなっちゃった?
みてやるから、ここに横になってごらん?」

今だって前を通りかかった翔に、
腰が痛いと素直に甘えている。

元気になったとはいっても、
まだまだ不安は抜けきらないんだろうね。

Aが抱えてるのは大きな問題だから。

そんなすぐに解決するとは思ってないよ。

でも、昨日の僕の言葉がAに届いて、
少しでも楽になってくれたなら、それでいい。

今こうして甘えられるようになっただけで、
十分だと思う。

残りの不安は、
これからちょっとずつ消していけば・・・ね。

翔「強さ大丈夫? 痛くない?」

「うん。きもちいい・・・・」

翔「またいつでもしてあげるからな。
痛くなったらすぐ言うんだよ?
Aには無料でやってあげるから。
本当は、翔にぃのマッサージは高いんだぞ～(笑)」

「ふふっ・・・ありがと。」

微笑む顔も、穏やかな声も、
前より柔らかくなったような気がして・・・

笑い合っている2人を見て、僕も安堵の笑みがこぼれた。