パパが治してあげようね *ARS* 12 (ページ28)

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夏の思い出　4 ページ28

翔Side

仕事から帰ってきて昼近くまで爆睡して、仕事組の2人以外でご飯を食べた。
食後はしばらくまったりして、それからそれぞれ行動開始。

俺は庭の準備。Aと潤は買い出し。雅紀はゆいちゃんを連れて散歩兼お迎え。

みんないつもよりウキウキして楽しそうなのを見て、俺嬉しくてさ。

俺らは仕事柄、季節関係なく忙しいから。
旅行に行けることも少ないし、遊びに連れて行ってやることも少ない。

行けても近くのプールとか、公園とか。
そんなんだから、準備にも片付けにも時間のかかるバーベキューは、ほとんどできていなかった。

だから皆が楽しんでくれることを、夏の思い出として残せることが嬉しいんだ。

翔「ちゃんとうちわで扇いでよ～。火消さないようにね」

雅「よっしゃ、任せとけ!! おりゃー」

和を家に入れさせ、入れ替わり出てきた智にぃも強引に追い返し、元気の有り余っている雅紀だけ手伝わせた。

仕事組には休んで体力回復しておいて欲しかったからさ。
雅紀が家の中にいると、うるさくて休めないでしょ?

っていうのは嘘で、やるっていって聞かなかったから、赤くパチパチしてきた炭をうちわで扇いでもらってるってわけ。

雅「あっ、痛い!! しょーにぃー!!」

翔「お、どうしたどうした。なに、どこ痛いの」

火起こしを雅紀に任せて網と鉄板を洗っていたら、急にギャーギャー騒ぎ出してびっくり。
目を押さえて泣いてるから灰が入ったりしたのかと思ったら、違うみたい。

翔「汗が入った? ほら、ちょっと見せてみ。手離して?」

雅「あぁー目が開かないー」

翔「わかったから。目閉じたまんまにしときな」

大粒の汗を垂らしていたおでこと目の周りを首にかかっていたタオルで拭いてやって、あとは騒ぎを聞きつけて外に出てきてくれた智にぃにバトンタッチ。

水を含ませたティッシュで軽く拭いてもらったら、痛みも引いてきたみたいだ。

智「痛い痛いって叫んでたから、何か事故が起こったのかと思ったよ。
ちょっとこっち向いて～? うん、なんともないね。大丈夫」

雅紀の目を指で開きながらよく見てくれた智にぃは、「雅紀は元気でいいね」って笑ってる。

翔「元気が良すぎて困っちゃうよ。ホントに声がでかいんだから」

兄二人に笑われても、めげない雅紀。

俺が手ぬぐいで頭にねじり鉢巻をしてやったら、「お祭りみたいだー!!」ってさらにハイテンションになっていた。