転生したらトカゲだったⅡ (ページ33)

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朝日が昇るのと同時に目を覚まして体を伸ばす。

昨日は大分忙しかったからゆっくりしたい気分だが、そうもいかないだろう。

寝間着を脱ぎいつもの服に着替えるとテーブルの上に置かれた襟ピンに視線を向けた。

あの時簡単に作っていたからまじまじとは見れなかったけど、今ならわかる

なんて綺麗な色なのだろう

太陽のように赤いフレームの中にあるのは金色の瞳にも見える宝石

自分には合わないのではないかと思ってしまうデザインだが、とても気に入っている。

ぴ｢(リューコは…本当にドラゴンなのか疑うほどに人間味に溢れている。)｣

初めて会った時から感じていた優しさは本物の人間と思わされる程で、獣人でもあそこまで穏やかな顔はしない。

力が全てのドラゴンにとっては強くなければ優しくする必要は無いという非情な性格であることがドラゴンでありそういった価値観なのだ。

彼女からすれば自分は弱い人間だと言うのに守ろうとしてくれた

どうして彼女は…

コンコン

『入っても大丈夫ですか？』

ぴ｢えっ…あっはい｣

つい反射的に返事をしてしまったが、どうやら噂の彼女がやって来たみたいだ。

扉を開けてひょっこりと顔のみを見せるその姿はまるで幼い子供のようで人によっては愛らしさを感じるだろう。

『昨日、変装の道具が必要になるって話をしましたよね？

そこで夜中のうちにスライム達と作っておきました。』

ぴ｢えっ…？

なんでそこまでして…｣

理解出来なかった

なぜドラゴンがそこまでして人間の為に動こうとするのかわからなかった。

仮に自分と彼女の間に契約などと言った関係があれば話は別になってくるが、たとえ契約関係でもここまで優しくも暖かい顔はしない。

『どこかのお店に行くと追っ手に嗅ぎつかれる可能性もあるのでこちらを用意しました。

それとお互いに隠密スキルを持ってないので服にエンチャントをつけてみました。』

ぴ｢えっ…エンチャント!?｣

驚き過ぎて詰め寄った結果、彼女は目を丸くしたついでに頬を染めたそうだ。