どうも、ポケモン博士です。3 (ページ20)

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119話ページ20

ナックルシティジムリーダーの朝は早い

モーニングルーティンをこなしていつもの服に着替えると自身の担当する城のように大きなジムに向かう。

途中、ファンからの声援やサービスにも応えてゆっくりめにジムに着けば後は仕事をするのみ

そういえば今日、カントーから招いた知り合いを迎えに行くんだった。

なんて思い出しながらも、書類整理をして仕事を片付ける。

「巡回がてら知り合いを迎えに行ってくるわ」

「行ってらっしゃいませ、キバナ様」

部下に見送られながらジムを出ると大通りに向かって歩いていく

ふと思い出してポケットにしまったスマホロトムを起動すると慣れた手つきで操作をする。

「ついてるなら電話に出るだろ…えっとAだから上から何番目だっけ？」

刹那

「パォォォンッ!!」

「落ち着きなさい体重650kg予備軍ッ!!」

たった今、目の前を凄まじいスピードで駆け抜けた影に2,3秒のラグはあったもののダラダラと汗をかいて反応した。

もしかして知り合いが暴走している体重650kg予備軍と称しているゾウドウを落ち着かせるために乗りこなしているとか言わないよね？

なんて現実逃避したいけど紛れもない事実に頭を痛めた。

「師匠〜！置いていかないでください！」

大荷物を持って暴走するゾウドウを追いかける小さな少年の声に反応してちらりと視線を移すと、本当に育ちの良さそうな少年が息を切らして声を張っていた。

そして更に騒動は続く

『この…！落ち着きなさい、ゾウドウ！』

何を思ったのか、痺れを切らした知り合いと思いたくない知り合いは体の反動やらテコの原理ゾウドウの体の構造etc…を活かしてゾウドウを投げ飛ばしたのだ。

これには周りで見ていた人々もびっくりして目を丸くし口をあんぐりと開けていた。

そんな中、驚きを通り越して逆に冷静になってしまった彼は小さな声で呟いた。

「相変わらずめちゃくちゃだな…」

ひっくり返って身動きが取れずにいるゾウドウをなだめてキーのみを食べさせている彼女を見ると、昔ワイルドエリアで助けたセキタンザンを思い出してふらりと歩み寄った。

『よし…やっぱり混乱してたのね。』

「ぱおーん！」

あっという間に混乱状態を解いてくれた恩人に懐いたゾウドウは器用に鼻を伸ばして彼女を抱きしめた。

歩み寄って生まれた影は自身のものでいつものようににぱっと笑った。

「ようこそA博士…久しぶり」