【DQB2】笑わないビルダー5 (ページ9)

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王様は悔やんでいた

リックはこの世界が偽りだと信じて救済を求めて教団の手先となった…それは王様がちゃんと彼を見てやれなかったのだと主張した。

そんなわけないと否定したかった…けど事実、リックは道を間違えてあんなことになってしまった。

でも彼が生きているのならまたやり直せるのではないか？

私は王様に私の考えを伝えようとした時、先を越されて王様が私に聞いてきた。

王｢Aよ…そなたがこことは別の世界から来たことはわかった

ならば教えてくれ

そなたの知ってる世界でわしの娘はどうなっておる？｣

結局王様は民を見守る王である前に一人の親なのだ

自分よりも大事な娘の方が気がかりなのはわかった。

だから正直に話した

あなたは亡くなってしまったけど、最後の最後まで立派な王として父として生きていたと…

そしたら王様は背中を見せて涙声になりながらもよかったと呟いていた。

王｢この僅かに異なる世界に何故Aがいるのか…それはわしにもわからぬ…わからぬのじゃ

だがなA

もし明日世界が滅びようとも、教壇に勝つという目的は果たしたい｣

なるほど…王様が言いたいことはわかったよ

つまり、勝つためにビルダーである私の力がまだ必要ということだろう

だから私はにっこりと笑って承知しましたと言った

『ミナデイン砲の完成を急ぎましょう

そしてアトラスに勝つためにも…！』

私は今の自分が好きになってきた

言いたいことをはっきり言えて、感情を表に出せるようになって

苦手な笑顔もこんなにあっさりとできてしまう

なりたかった自分になったような気がした。

だが時々思ってしまうのだ

そんな私は私と言えるのだろうかと

王様が先にミナデイン砲の建築予定地に向かって1人になった時、私は俯いた

『A…私に主人公は務まらないよ』

結局私は主人公としての力を持ち合わせていない正真正銘ただのビルダーだ

そして何者にもなれない哀れな奴だ