【DQB2】笑わないビルダー5 (ページ16)

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それからのことを私は覚えてなかった

上手く働かない頭の状態で朝を迎えて荷物の整理をしたら綺麗に片付いたビルダールームを見渡した。

ムーンブルク城を再建する時に王様に今後のビルダー育成のために作り直して欲しいと命じられて作ったけど

あれ私がまたムーンブルクに来るための口実だよね？

どうせ私を呼んで講師にするついでに何かお願いするやつだ

……ってひねくれ過ぎた

この島にも随分お世話になったんだから最後くらいは笑顔で別れを告げないとね

パーティーホールに行けば宴により散らばった食器と床で雑魚寝している住民達

私は出来るだけ静かに食器を回収すると、数人起きてしまった

ア｢む……あっすまないな｣

起きるなり私を見て驚きながらも食器の片付けを手伝ってくれるアネッサはイケメンだと思うんだよね

だからにっこりと笑って寝起きで動くのは辛いだろうからって片付ける手を抑止すると、顔を洗ってこいと指示した。

ついでに自身の口元を指さしてヨダレが着いていることを教えたら慌てて顔を洗いに行ったよ可愛すぎるね

なんて事をしながら城内を清掃すれば、王様が私を呼んでいると近衛兵に言われて私は走って王の間に向かった。

王｢おぉAよ！朝早くに呼び出してしまってすまないな｣

『とんでもございません』

膝を着いて挨拶をすれば王様はすこぶる機嫌が良いようで、すぐに本題を話してきた。

その内容は私とシドーがからっぽ島に帰ることについて、少しお願いがあるとの事

王｢そなたがこの島にやって来てから色々あったのう…確かからっぽ島を襲うハーゴン教団の魔物を撃退するための仲間が欲しいと言っておったな？

ワシからも頼む、そなたの島に我がムーンブルクの民を連れて行ってはくれぬか？｣

そんなこと、言われなくてもわかってる

それに最初からそのつもりでこの島に来たんだからさ…わざわざお願いしなくてもいいよ

『願ってもないことでございます…』

王様はにっこりと笑って髭を撫でると｢民を頼んだ｣と言って私の背中を優しく押してくれた。

王様から頼まれている…こりゃあ責任重大だな