〈忍たま乱太郎〉転生した私は僕として生きたいその三 (ページ42)

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その137 ページ42

あれから数日後のこと

『ようやく全ての生き物達を見つけて捕まえましたよ…！』

今日も変わらず平和である

また逃げ出した生き物達を探し出して捕まえてちょうど小屋に入れたところだ

それにしても…

残暑がキツい

夏が終わったのにこんなにも暑いなんて

朱｢大変だねゆーちゃん…

はいこれ冷たいお茶｣

『ありがとう…うん、美味しいよ』

委員会活動が終わって疲れた身体を癒すのはこのあーちゃん特製冷たいお茶だ

相変わらずあーちゃんは優しいし可愛いな

山本シナ先生に用意してもらった着物がまたセンスが良いのだ

どちらかと言うと控えめな彼女に合う落ち着いた藤色に濃い紫色の帯がまた良い

そうだ…あのことを聞いておかないと

不意に思い出したことを彼女に聞こうとして私は口を開いた

『…あーちゃん』

朱｢ん？どうしたの｣

あれ…？なんで私は今、彼女にこんなことを聞こうとしたのだろうか？

聞きたいことがあったのに聞いてはいけない気がして喉から出てこないんだ

『いや…話すこと忘れちゃった』

雑に誤魔化してヘラヘラと笑うと彼女も笑うんだ。

聞かない方がいい

あーちゃんはもう元の世界には帰れないの？

なんて聞いてはいけない気がした

『ふぅ…ちょっと席を外すね』

朱｢うん…トラブルに巻き込まれないようにしてね｣

心配そうな顔でそんなこと言わないでよ…

私は手を振ってまたここに戻ってくることを約束するとその場を離れた。

(朱里side)

今日もまたゆーちゃんと一緒にお茶を飲んでお話をしていた。

この世界に来て結構経つけど…

未だに帰る方法もこの世界に来た目的も見つかっていない

こんなんで本当に良いのだろうか？

だけど、私はこの世界に来てよかったと思えた

それはあの子…五月雨Aの存在だ

あの子の前世は私の親友である柚希

ゆーちゃんは前世の記憶を持ったまま転生して今目の前にいる五月雨Aになったのだ。

凄く嬉しい

嬉しいのだが…

どうしてゆーちゃんはそんなに寂しそうな目をするの？