【d!】全ては我が主のために (ページ10)

今日:12 hit、昨日:22 hit、合計:121,290 hit

その8 ページ10

今日は気分がいいよ

昨日買ったベーコンを朝ごはんにして食べたら最高に美味かった

あの村には小麦粉やら調味料やらが揃っていたからハンカチの売り上げで色々買っちゃったよ

『きのみでポフィンを作ったりカレー作ったりできるからきのみってバカに出来ないわね…』

きのみは果実となり、生地となり、スパイスとなるから育てておいて損は無い

さて、今日はポフィンを軽食にして刺繍ハンカチを量産しますかね

まさか特注のハンカチを作れなんて言われるとは思わなかったから、どんなに難しいデザインでもできるように練習がてら量産するのだ

『ふんふふーん…

なんだろう…めちゃくちゃ歌を歌いたくなる』

私ってただポケモンのゲームをやっていた訳じゃなくてアニメとか見てたし、なんならCD買ってた人だし

つい歌っちゃうよね

『………いや、歌わない方がいいかも』

この森で暮らす森ガールとしては獣を寄せ付けないために歌うのはやめよう

たとえこの小さな家の中だとしても

ゆらゆらと揺れるロッキングチェアに座ってハンカチに刺繍を施す

薔宿だったりこの森をイメージした若葉だったり

色んなものをハンカチという名のキャンバスに表現している

それが楽しくて仕方がないのだ

『…あっ

夕食のためにパンを焼かないと…！』

思い出したかのようにその場から立ち上がると手に持っていたハンカチをテーブルに置いた。

キッチンは洞穴を改造した場所にあるから少しだけ不便なのかもしれない

まあ水周りとか火を扱うのはあの木製の家では難しいだろう

『今日はカレー作ってナンを焼きましょう

スパイスはきのみ、練った生地を伸ばして焼き石に貼り付けて〜』

コトコトと煮込んだらスパイシーな香りが鼻を刺激する

お腹が空いてきた…早く盛り付けて家の中で食べよう

そう思って盛り付けられた料理を家に持っていくと、私は走る足を止めた

……誰だ？

私の家の前で倒れてるあいつは