[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅲ (ページ10)

今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:7,180 hit

百十話ページ10

凍てつく氷の壁、吐き出す息の白さがまた自然の偉大さを感じられる。

そして目の前には極寒の地に似合わない上半身裸のやべぇ奴

隣にいるテルの顔を見なさいよ、ドン引きしてるから

「こちらにいらっしゃるのがクレベースのキャプテンで私の尊敬するハマ先生」

正式名はハマレンゲさんね、シンジュ団のキャプテンを務めているほどに実力を持つ男

「お前さん達がテルとAか…お前さん達に問いたい。

なにゆえクレベースを鎮めるのです」

突然の質問ですね

テルは任務のために荒ぶってるポケモンを鎮めると即答した。

即答は良い事、だってそれ程に意志が固い証拠だから。

「では更に問いましょう、荒ぶる事の何がいけませんか？」

これには分からないと答えた

するとハマレンゲさんは腕を組み、睨むようにこちらを見て聞いてきた。

「お前さんの任務かどうかではなく、お前さんの意思はどうなのですか。」

テルは目を丸くして口を閉じた

だって今までの彼は言われたから任務をこなしていた。

でもクレベースはまだ荒ぶっている報告も何も無い、なのにこんな極寒の地に送られて任務をしろなんて、ちょっと考えればおかしなことではないかと思ってしまう。

ハマレンゲさんはそれをわかっていたからテルにこう言ったんだ。

「雪原キングクレベースは誰にもどのポケモンにも迷惑をかけておりませぬぞ！」

荒ぶってるのはキングではなくキャプテンの方じゃないか。

それを鎮めるためにカイは熱くなりすぎだと指摘して、あの巨体のクレベースが荒ぶったらという不安を取り除くのもキャプテンの務めだろうと更に指摘した。

カイの言葉は一理ある。本当は私だってクレベースに無意味な攻撃なんてしたくない。

『…ならば弱肉強食の理に従って勝負をすれば良いのでは？

私の見込んだ後輩はそう簡単に意志を曲げない強い子なので。』

カッチカチの氷もハマレンゲさん自慢の筋肉も簡単に砕いて見せるよ