[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅲ (ページ4)

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百四話ページ4

溢れ出た活力を意味する黄金の光はテルの投げたシズメダマによって分散した。

本来の色を見せてくれたマルマインはとても落ち着いている様子。

ようやく苦しくなくなったのを喜ぶマルマインを見て私も戦場に降りることにした。

『おつかれテル』

｢Aさん！マルマインすごく強かったですよ〜｣

だろうね

苦笑しながらもよく頑張ったと頭を撫でれば、自分も撫でろと言わんばかりに私に突進してきたマルマイン

『気分はどう？』

〈大分良くなった！随分と迷惑をかけてしまったみたいで申し訳ない…〉

マルマインに触れている間は彼の言葉がわかる

にしても意外と言葉遣いが丁寧でびっくりした。

マルマインはテルお礼をしたいと言って何処から出したのか分からないいかづちプレートをテルに向かって放り投げた。

｢なんということだ…！

シズメダマを作ったものの、いざシンオウ様の御加護が無くなると寂しい気持ちで一杯だよう｣

｢いや、俺には苦しみから解き放たれてホッとしているようにも見えるぜ｣

戦場に入ってきたツバキとセキはお互いに真逆の意見を言っていた。

実際は荒ぶっていた事に申し訳なさを感じていたが正解だけどな。

若干セキさんが正解ということだ

『さて…そろそろコトブキ村に帰るとしましょうかね。』

今日も疲れたなと思い体を伸ばしていると、定刻通りに戦場に到着した人物が一人

ノボリさんだった

彼はテルと行動を共にして色々と思い出した事があるそうだ。

主に、彼が記憶を失う前にいたであろう世界の話だけどね

｢ほとんどの人がポケモンを捕まえ、仲良く支え合って生きています。

中でもポケモントレーナーと呼ばれる者は、己とポケモンを鍛え高みを目指し、ひたすらポケモン勝負を繰り返していました。｣

とうとうここまで記憶を取り戻したか

ポケモン勝負を繰り返すことで共に戦うポケモン、相対するトレーナーとそのポケモン全てと分かりあっていたのだ。

そう言うノボリさんの顔はまっすぐで暗闇でもギラギラと鋭く光る目がかっこいい

｢ポケモンと人が力を合わせて道を切り開く

ポケモンだけが強い、ポケモンを必要以上に恐れる…それでは時代は変わりません。｣

確かにそうかもしれない

前世の私でプレイしたポケモンもその認識が大前提でストーリーが進んでいたからな。

『理想はいつか現実になる…そういうことですよ。』

きっと私の小さな呟きは聞こえてないはずだ。