[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅲ (ページ15)

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百十五話ページ15

鬼ごっこも終わり、勝負も終わった。

結果はどちらも少年テルの勝ち、ワサビはつまらなそうであったが自分の気持よりもウォーグルの気持ちを優先したのだ。

ウォーグルがテルのことが気になってしょうがないといって屋上に連れて行くワサビは少しばかり大人になったように見えた。

しかし気になるだけであって力を示すかどうかは彼次第である

ワサビはウォーグルに対して力を貸したいかどうか確かめてみたらどうだと提案すれば、空の覇者と呼ぶに相応しい鳴き声を当たりに響かせた。

「ウォーグル…僕と勝負してくれるよね？」

当然だと言わんばかりの返答が鳴き声となって返って来るとテルはすぐにボールを構えた

一番の相棒であるバクフーンは先程の勝負で疲弊してしまったのでこの場で最も調子の良いポケモンを出すことにした。

「ゆけ！ドサイドン！」

彼もまた、ドサイドンを所持していた

サイドンの頃に出会って時空の歪みの調査の末ゲットしたが思いの外なついてしまって仲間入りしたドサイドン

誰よりも勇敢なヘビーポケモンに育ってくれたのがこのポケモン

ウォーグルの技を全て受けきった後にお返しと言わんばかりの強烈な一撃で相手を叩きのめしてしまったのだ。

流石だと褒めてドサイドンをボールに戻すとワサビにこれでわかってくれたか？と聞いたテルに対して少女は楽しかったと笑みを浮かべて帰ろうとしていた。

待て待てと引き止めて目的を忘れないでくれと必死になれば少女はクスクスと笑って一緒に笛を吹けと言った。

美しいカミナギの笛の音は辺りに響き、そして想いを乗せて相手に伝えるのだ。

ウォーグルの心にカミナギの旋律が刻まれた時、少年に1枚のプレートを託し空をかける力を貸すのだ。

「ワサビよ、ありがとうな」

声が聞こえて振り返ればそこにはコンゴウ団の長セキの姿があった。