[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅲ (ページ2)

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百二話ページ2

まさかここまで往生際が悪いとは思わなかった

テルが困っているのを見てられなくなった私は足早に彼に歩み寄った。

途中でセキさんに会ったのも今だけは運が良いと言えるだろう。

｢マルマインが好きなものを教えるのを忘れてたよな…悪ぃ｣

セキさんがテルに手助けをしようとしていたのを見ていたツバキは納得がいかないと言った。

セキはコンゴウ団のリーダー、ギンガ団なんか捨て置けと言うツバキに呆れてものも言えない。

これには私だけでなくセキさんも呆れてた。

｢お前よぉ…荒ぶるキングを見てないのかよ

溢れ出る活力を抑えきれずに苦しんでる姿をなんとも思わねぇのか｣

｢シンオウ様への喜びだよぉ

誰だって成長する時はよ、試練があって悩んで苦しむぜ｣

なわけねぇだろ

私は再度彼にビンタをするために手首を解して前に出た。

『お前本当に懲りないな…ポケモンは人間とは違う本能のままに生きるものだ。

キングの荒ぶりをシンオウ様の試練と捉えるのならお前はキャプテンとして失格だ。

苦しんでる姿に自分も苦しんで共にどうにか解決しようとなるのがキャプテンじゃないのか？』

｢A…｣

私にはわかるんだよ、右目で何でも見えてしまうから

この眼帯を外して瞼を開ければいつでもマルマインの苦しみの感情が伝わってくる厄介なものを持ってるんだよ。

だからツバキの発言が大嫌いなんだ

『それに、私はセキさんに頼んでテルにマルマインの好物を渡して共にシズメダマを作って欲しいとお願いしたんだよ。

教えてくれなんて一言も言ってない』

私の言葉にセキさんもくすくすと笑って確かに言われてないと便乗した。

セキが私たちに味方してるのをようやく理解したツバキは自分の負けだと両手をあげて降参した。

彼は共にシズメダマを作る事を選んだのだ。