[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語 (ページ50)

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五十話ページ50

帰り道、テルは何度か私に話しかけようとしてはなんでもないとはぐらかしていた。

ここは賭けだけどどちらにせよ主人公の力で知られてしまうこの秘密を打ち明けても良いのではないか。

『…私の右目が気になりますか？』

｢えっと……。

本当はその目、見えてますよね？｣

やっぱり気づいていたか

ゴウカザルの手を少し強く握って深呼吸をするとそうだと答えた。

テルは未来から来た人間、だからオッドアイについての認識はこの世界ほど寛容なはずだ。

『左右の目の色が違うので右目を隠して生きている…だから私の右目は盲目なのではなくちゃんと見えています。

逆に見えすぎてしまうのが欠点なんですよ』

私の言葉にテルは訳が分からないといったようだ。

だから包み隠さず右目について教えた。

ただ色が違うのではなく人の感情が形となって見えてしまうこと、そして暗闇でもこの右目があれば昼間のように周りが見えることも全部。

『今日は君のおかげで目が光ることを知りました。

これ、誰にも言わないでくださいね？

この事を誰かに知られてしまえば私は…皆からは異物扱いです。』

テルと同じ異物が必死こいて団員ランクをMAXまであげたというのに積み上げてきたものが崩れる…それが怖いのだ。

｢僕…言いませんよ

Aさんは僕の恩人ですから…何度も助けられているのに恩を仇で返すなんてしたくありません。｣

『テル…ありがとうございます。』

するとテルは少しつけあがって敬語を辞めてくれと言ってきた。

誰にもそのような態度では舐められてしまうと言ってきたし説得力はあるんだよな…。

『では信頼の証として君に敬語は使わない。

これからもよろしく、テル』

｢はい！｣

星のきらめく夜空の下で、私達は少しばかり仲良しになった。

テルの為にも私は彼の使命の手助けをしたいと思った。

なぜ彼がこんな運命を背負ってしまったのか分からないけど、少しでも心の負担をかき消すことが出来るのならば…

私は君の手を繋いであげる

それはまるで愛しい弟のように