[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語 (ページ49)

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四十九話ページ49

夕方頃にキャンプ場に戻ろうとウォーグルをボールから出そうとしたその時だった。

急に誰かに呼ばれた気が来て右目の眼帯を外して前髪をかきあげて下を見てみれば、あらびっくりテルがイワークに襲われているではありませんか。

しかも深紅沼でどうして…なんて思ったけど多分あれいつの間にか坂を登ってそこそこ高い位置から足を滑らせたな

咄嗟にギャラドスを高台の下に向けて投げるとハイドロポンプをお見舞いしてやった。

ギャラドスを追いかけるように私も慎重に降りると、怯えた顔でこちらを見てくるテル

と言うか恐怖と安堵と不信感で感情ごっちゃごちゃだなこの子

『まずはキャンプ場に戻りましょうか…立てますか？』

｢何とか…

あの、Aさん…ですよね？｣

なぜ疑問形なんだ

Aで間違いないと答えれば少し安心したような感情が読めた。

｢良かった…Aさんの声は聞こえるんですけど目の前にある赤く光る何かが怖くて…。｣

『…！

これで大丈夫ですか？』

素早く右目を閉じて眼帯を付け直し前髪を戻すと、せっかくの明かりを消しても良いのかと言われた。

大丈夫、こちらには文明を支えてきた炎というものがあってだな

『明かりは他にもあります。』

モンスターボールを投げて出てきたのはゆらゆらと揺れる炎のたてがみが特徴的なポケモン

｢わぁ…ゴウカザルだ！｣

少年のように幼い顔を見せてくれたから少し安心した。

ギャラドスをボールに戻してゴウカザルと手を繋いでキャンプ場に戻ろうと言えばテルは嬉しそうにゴウカザルの手を繋いだ。

あんな場所で一人は相当キツかっただろうな。なんて思いながらも私は一人あることを考えていた。

まさか暗闇の中だと右目が光るとはな…前髪の隙間から漏れ出た光だろうが、テルから見ればポケモンの目と勘違いしてもおかしくはない。

だからあの時怯えていたのか。

感情も読み取れて暗闇も関係なしに見えてしまうこの右目…扱いには十分気をつけないとだな。

と言うが17年生きて初めてこの事を知るとか遅いな。