[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語 (ページ38)

今日:7 hit、昨日:6 hit、合計:63,132 hit

三十八話ページ38

ザクザクと枯葉を踏みながら森の中を歩いているとふと数百もの葉の隙間から見える空を見上げた。

やはりこちら側はまだ暖かいな

つい最近まで北側とか標高の高い場所を通っていたため少しの冷えなら暖かく思える。

一週間かけて調査をして色々とわかったこともあるが、それを帰ってから報告書としてまとめないといけないのが億劫である。

『ん？』

横を通る影に日除けのフードを外すと、広がった視界で周りを見る。

少し視界がぼんやりとする…左目ばかり酷使したせいで眼精疲労を起こしているため正直いって休みたい。

急に自分の周りに影が出来て咄嗟に前に回避すると、先程までいた場所には巨体があった。

親分とはまた違うこの感覚にニヤリと笑って汗を流した。

『なるほど…これが怪我人続出してる原因と…｡』

腰に下げられたボールをひとつ持って前に投げると、ポケモンが飛び出しギラギラとした瞳を相手に向けていた。

『住処に帰りな…アイアンテール！』

指示に従い鋼のごとく硬い尾を相手に叩きつければ勢いに押されて知らぬ方向に飛んでいってしまった。

まさか本当に住処と思われる方向に飛ばすとは思わなかった為にぽかんと口を開けてしまったが、良い仕事をした相棒を褒めた。

『良くやったわね…多分あれは私達が相手をしてはいけない奴だったのかも。』

…嫌な予感がする

あのポケモンを追いかける価値はあるのかもしれない。

そう思い相棒をボールに戻して走り出した。