[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語 (ページ2)

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二話ページ2

浜辺に捨てられて、デンボクと名乗るおじ様に拾われて15年の月日が流れた。長い月日である程度の大きな変化があったと言えるだろう。

それは人間の力以外に他の存在に着目して協力を仰ぐものだった。

それは海にも空にも大地にもいる不思議な生き物で更には小さな空間に入り込もうとする性質を持つことから、ポケットサイズの懐に入るモンスター通称

｢ポケモン｣と呼ばれるようになった。

聞きましたか奥様？ポケモンですってよポケモン！

私を拾ってくれたデンボクさんがいることからなんとなく察してはいたけどまさか現代から100年程前のポケモンの世界に転生したとは思わなかったよ。

はっきり言ってデンボクさんはポケモンをあまり好いてはいない。

それに原作であるゲームをプレイ済みの私には全てがわかる

デンボクさんは大切な人をポケモンのせいで失ってしまったことをそれっぽい描写で主人公に訴えていたからな。

『お父さん、調査隊の準備が出来たから最終確認をお願いします。』

｢うむ…今行こう｣

黒を貴重にした着物を身に纏う私の父となってくれたデンボクさんはマジでかっこいい。

さすがは最近結成されたギンガ団の団長様だよ

肩にかけた羽織を翻して力強く歩くデンボクさんの後ろを追うと調査隊の準備の様子を確認していた。

最近出来たコトブキ村の出入り口付近では台車に乗せられた荷物をしっかりと紐で括りつけてる人達がいた。

今回向かうのは黒曜の原野、未だに開拓が進んでおらず自然とできた道だけがある。

私もギンガ団調査隊の一員として恥じない行動をしないと。

『お父さん、ポケモンの調査ってワクワクするね！』

｢そうか…お前はそう捉えるか｣

別にデンボクさんはポケモンを毛嫌いしている訳では無い、物事において慎重になっているだけなのだ。

まだポケモンの調査が中途半端どころか全くと言っていい程にわからない事だらけの人達の中でオタクと言ってもいいほどにポケモンに詳しい私。

実は前世の記憶については秘密にしている

オッドアイで異端な者扱いされているのにさらに前世の記憶があるなんて知られたらデンボクさんの命令で村から追放されてもおかしくはない。

｢さあ行ってこい。お前も無事に帰ってくるのだぞA｣

『…はい、行ってきます！』

荷物を背負って調査隊の後ろにつくと、デンボクさんに手を振りながらコトブキ村を出た。