58話 ページ9
出前のお昼ご飯が届いてみんなで庭園で食べることになったのは良いけど…。
少年達の話す冒険物語は子供にしては内容の濃すぎるもので、胃もたれを起こしそうだ。
『色々やって来たのですね…私も様々な地方を旅しましたが君達ほど面白く興味深いものは発見出来ませんでしたね。』
ちらりと庭であそぶポケモン達を見ながら思う事がある。
確かに色んな出会いがあって色んな出来事があった。
全てを乗り越えてきた先にあったものが必ず自分のなりたい何かになるために頑張ってきたつもりだ。
『ドラゴン使いになるために旅に出て修行したはいいけど、本職が博士になるのは思いもしませんでしたよ。でも楽しいので問題ありません。』
頬杖付きながら笑っていると、ヒタヒタと足音をたてながら近づくトカゲが一匹
それに気づいたのは私だけでなく向かいの席にいる少年2人もだった。
サ「そのポケモンって…エンニュートですよね?」
『よく知ってるね…そう、この子はどくトカゲポケモンのエンニュート
この子にはエンニュートにとって必要不可欠なものが無い珍しいポケモンなの。』
私の手に顔を擦り付けて、妖艶な体つきで腕に抱きつくうちのエンニュートにはあるものが欠けていた。
『エンニュートは体から特殊なフェロモンガスを発生させてオスのヤトウモリを集める習性があるのだけど…うちのエンニュートにはそれが出来ないの。
大事なフェロモンガスの成分が全く分泌出来ないから。』
野生のポケモンが生きていくためにはひとつでも体の器官が不能だと生存率がガクンと下がる。
エンニュートにおいてフェロモンガスが出せないのは致命的である。これがなければヤトウモリを配下におけないし、そうなれば餌も取りに行かせられない。
でもエンニュートはたった1人で生きていた。
孤独なエンニュートは大分やさぐれていたけど、どのエンニュートよりも姉御肌だった。
こうやって甘えてくるのは私以外にしない
ゴ「でも…どうやって生き抜いてきたんですか?
ヤトウモリの時にA博士がゲットしたのなら納得しますが…」
『この子はエンニュートの時にゲットしたからどうやって生き抜いてきたのかは正確にはわからない。でも、きっとこの理由なんだろうな〜というものはありますよ。』
椅子から立ち上がってエンニュートと目を合わせると互いに頷いてサトシに言った。
『今からこの子とバトルしませんか?』
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めいめい - この作品好きすぎてやばい… (2022年3月7日 1時) (レス) id: 73de415c6e (このIDを非表示/違反報告)
ぬこの妖精(プロフ) - あまねさん» まじでこの作品に出会わなかった自分が馬鹿馬鹿しく見える (2022年1月23日 13時) (レス) @page27 id: 4cd21e436e (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年11月22日 10時) (レス) @page17 id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年9月16日 1時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - この作品好きです!更新頑張ってください! (2021年8月28日 22時) (レス) id: abdd5dc6bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2021年8月28日 21時