14話 ページ15
セキタンザンは特性のじょうききかんを利用して自分で起き上がれたよ。
お礼を言いながら自分の住処に帰って行ったセキタンザンを見送った後、私はキバナから借りたテントの中で着替えていた。
その間に薄いシート一枚を隔てて説明をしながら。
キ「えっ…つまりお前はポケモンと会話出来るってこと!?すげぇ!」
『そんなにいい事でもないのですが…今はだいぶマシになりましたが、昔はそれがストレスで仕方がなかったんですよ?』
ポケモンの言葉と人間の言葉両方が聞こえるわけだから余計に頭が痛くなって、まずはポケモンだけに集中するために人間との関わりを極限まで遮断した。
その結果ポケモンを観察する変人に成長したのだ。
『例えばそうですね…貴方のナックラーとも話そうと思えば話せますよ。』
キ「マジ!?じゃあナックラーの鳴き声でこんにちはってなんて言うの?」
うわぁ…安直な言葉のチョイスだな。
でもまあワタル兄様と戦った時にナックラーの声を1回聞いたからこんな感じなんだろうなっていうのはわかるよ。
『多分__…。なんだろうけどナックラーに聞いてみないとわからないですね。』
そう言えば行動が早くて、キバナはボールからナックラーを出して確認を取ろうとしてた。
予想通り言葉はあってたけど、マジでこのガキは内緒にしてくれるよね?
『本当に秘密にしてくださいね…こんなことを知られたら厄介ですから。』
こんな力を知られては大人に利用されるに決まってる。
それだけは嫌だ
『こんなこと知られては、私の周りには誰もいなくなってしまいますから…。』
着替え終わって水着を袋にしまうと、テントを出て片付けた。
帰ろう、ナックルシティに
ナックラーで勝つ戦い方は帰りの途中にでも教えるよ。
その日、私はキバナと少しだけ仲良くなってしまった。
けどそれ以降はナックルシティの施設内にいても必ず隠れたり逃げたりして関わりを遮断した。
あとひとつだけ報告することがあるならば
勝手にワイルドエリアに行ったことがバレて兄様にしこたま怒られた。
泣くぞ…というか泣いた。
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作者名:またたびはまた | 作成日時:2021年8月9日 23時