【d!】全ては我が主のために Ⅲ (ページ10)

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その107 ページ10

なんの理由も事情も聞かされることなく命令により私は一人の少女の世話役を任されてしまった。

メイド長の私にお願いする程彼女はすごい人物なのだろうね

？｢うっ……はっ！｣

どうやら目が覚めたようで無理やり体を起こそうとしている

いくら傷を治したからと言って完全に元気になったわけじゃないんだから起きるのはおすすめしないな

『おはようございます』

？｢ふぇっ!?

おっ…おはようございます｣

なんというか…この子は感受性が豊かみたいだ

驚く時は目を丸くしてるし、無になる時は何も感じないし…

『お目覚めのところ申し訳ございません

今日から貴方様の世話係をさせていただきます…名をアルヒと申します』

礼儀正しく挨拶をすれば、無理やり体を起こして立ち上がって挨拶をしようとする少女

ふらついていたし、さすがに危ないので腕で体を支えてベッドに座らせた。

？｢すみません…私は山田音葉と言います｣

苗字は在り来りなのに名前はすごい綺麗だな…

音の葉って…音楽好きなのかね？

とりあえず私は今までの出来事を話すことにした

まず音葉様がどこまで覚えているかだな

『貴方は突然城の中に現れました

周りには人が通れるようなダクトもなければ窓も開閉式では無いのであの場に現れる…更には頭上から降ってくるなんてことはありえないのです

音葉様、貴方はこの城に来る前はどこにいましたか？』

それに彼女は答えるのを躊躇った

おそらく私の予想通りなのだろうけど…彼女は少し戸惑いもあるのだろう

もしかしたらここは夢の世界なのではないかと思っている可能性だってある

そんな希望はさっさと踏み潰して差し上げなければ

『先に言っておきます…もし音葉様がこの現状を夢だと思い込んでいるのなら現実を見てもらいたいです

おそらくこの場であなたの言葉を信じる人物は私だけなので…正直に、お答えください。』

すると、ようやく口を開きだした

彼女から打ち明けられた真実はあまりにも恐ろしいものであった。