【d!】全ては我が主のために Ⅲ (ページ7)

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その104 ページ7

｢ここ…どこ？｣

突然上から降ってきた謎の人物に驚きながらも私は色々と考えてしまった。

こいつは何者だとか声からして女かなとか

そして背中に感じる重みに耐えるのは良いのだが…多分上から降ってきたのって侵入者だよね？

『トントン様！私のことは良いのでこの侵入者を捕らえてください！』

ト｢はっ！覚悟せい！｣

ようやく我に返ったトントン様は上にいる人物を取り押さえると私はようやく自由の身になった。

流石はトントン様、私への被害は何も無かったよ

痛む背中を擦りながら侵入者を見てみれば私は顔を顰めた。

『(あの服装…どこかで見たことあるな)』

なんてどこかへ連れていかれる彼女の後ろ姿をぼーっと見つめていると、いつの間にか縄抜けした鬱様がタバコを吸っていた。

鬱｢妙な服を着た女やったなぁ…そういえばアルヒちゃんは怪我してへんか？

背中痛いでしょうから医務室行こうな｣

『お気遣いありがとうございます

背中は問題ないのですが、タバコの煙で肺がやられそうなのでおやめ下さい

主様にお願いしてこの城全体を禁煙にしますよ』

鬱様には申し訳ないけど、私は考えたいことがあるのだ。

あの服の色とか既視感が凄いんだよね…

『(少し…様子を見てみるか)』

再びヒールを鳴らして歩けばその足はまっすぐ自分の部屋を目指していることにようやく気づいた。

自分でもなぜ部屋に戻ったのかわからない

だけど無意識に何かを求めていたんだろうと思い、私は机に向かって椅子に座った。

『あっ…そうかメモ帳』

先日疑問に思ったことをこのメモ帳にリスト化してみようと思ったんだ

4年前から持ち続けているメモ帳はいつでも白紙

使っているはずなのに文字が書かれたページはどこにもないのだ。

『(神様教えて…この世界に歌が存在しない理由を)』

気づいたらこの世界には歌の概念がなくなってしまった…これは神の御業と考える他ないだろう

そんなことを書けば、文字は消えて回答となる新しいメッセージが浮かび上がってきた。

『……!?

じゃあさっきの子は…！』

椅子に座って文字を書いた数分後には乱暴に椅子を引いて立ち上がった

神の預言とも言えるこのメッセージの内容を理解してしまえば驚きその場から動くのも無理はないだろう

嫌な予感がする…と考える暇はない

急いであの子を探さないとダメだ！