【d!】全ては我が主のために Ⅲ (ページ41)

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その138 ページ41

翌日から、私は音葉様の護衛兼身の回りの世話をする事になった。

この城のメイドさんは意外な事に、余所者に対する嫌悪感というものがないらしい。

理由としては虐める必要が無いことと、執事長であり幹部でもあるオータムの妹である私に手出し出来ないことがあるのだろう。

ご丁寧に城内の地図まで貰って仕事をテキパキとこなしていると、感心された。

そりゃあそうだよ…だって私一応我々帝国ではメイド長やってるもん。

暁｢アルヒ、仕事は順調か？｣

仕事中、たまたま廊下をすれ違った時に兄さんが話しかけてきた。

今はちょうど暇していたし、少しの会話なら大丈夫だろう。

『お陰様でそつなくこなせています。

もし宜しければ、今晩久しぶりに語り合いますか？』

にっこりと少し口角を上げて笑うと、兄さんはそれに乗った。

今夜兄さんの部屋に会いに行くことが決まったそのあとは直ぐに仕事モードに入ってすぐに音葉様の元へ向かった。

そろそろ紅茶の時間だろうか、それとも図書館の付き添いをするか。

とにかく行ってみないと分からない

廊下を小走りに進んで部屋を目指すと、音葉様の部屋から声が聞こえた。

客人か？不思議に思いながらドアをノックして入ると、少し身構えた。

死｢あっ！アルヒさんだ、こんにちは！｣

音葉様と向き合うようにソファに座っていたのは幹部の死神様だった。

相変わらず女性と見間違えてしまう程に愛らしい容姿をしている…が、しかし彼はれっきとした男である。

『もてなしの御用意もせずに申し訳ございません』

死｢いやいや大丈夫！だって僕が急に押しかけたものだからさ。逆にごめんね｣

なんというか…とてもフランクな方である。

そこまで規律や礼儀などを重んじることをしない…と言うよりも好まない性格なのだろうか。

死神様は私に近づくと手を取って笑ってた

死｢君だよね？2年前に我々帝国に来訪した時に僕を助けてくれた“ゲンガー”って！｣

なんで知ってんだこの人

私はフリーズした。もちろん死神様の後ろにいた音葉様も顔をひきつらせて私を見てきた。

なにこれ…どう言った対応を取れば正解なのだろうか？