【d!】全ては我が主のために Ⅲ (ページ30)

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その127 ページ30

『私がポケモンの正体です

あの森にいた時からずっと私はこの力を隠して、隠し続けて生きていました

ここに来てから私は変わりました

そのおかげで生き別れた兄に再会出来て…嬉しくて…っ！』

泣くな…まだ泣くな

まだ伝えたいことはあるんだから

『信頼出来る方も、尊敬出来る御方にも出会うことが出来ました

主様が私の秘密を見なかったことにしてくれていた…もしそれが貴方の優しさだったのなら

もっと…その優しさに浸りたかった…！』

その瞬間私は泣き崩れてしまった

隠していたこと全てを明かして、最も信頼する方に初めて伝えたその日はどんな日になるだろう

グ｢…すまなかった｣

主様はそれだけを言って私の頭を撫でて抱き寄せてくれた。

だから私はさらに泣き出してしまった

赤子のように、わんわん泣いて…本来ならそんなことしちゃダメなのだろうがやってしまった

グ｢アルヒ…もし良ければ君のことをもっと教えてくれないか？

もう何も隠すことは無い…だから教えてくれ｣

ずるいな…それはお願いではなく命令ではないか

そしたら私はイエスと言わなくてはならない

最後の最後に主様はずるをした

だから私はその瞬間だけメイドとしてでは無く“私”として話すことにした。

元いた世界のことも話すことにした

ついでに兄と仲が良いこともアピールしたりして

関係ないことにも主様はしっかりと聞いてくれた。

あぁ…やはり主様は素敵だ

そう思ってしまうのも仕方がない…それで済ませていいのだろうか

どうしようもない程に貴方が好きだと思っても

いや、今はそんなこと考えてはいけない

あなたへの愛は忠誠心だけでいい…そう思わなくては