【d!】全ては我が主のために Ⅲ (ページ27)

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その124 ページ27

何故こうなった…

ゆらゆらと長い尻尾を揺らしながら自分の主の肩に乗るとか罪が重いと思うんだよね

私は行きたくないと言ったよ？でも駄々こねたんだもん

主様は私に沢山話しかけてきた…一方的に

グ｢君の本当の姿はそれなのか？

ミュウという名前だったか…不思議な存在であるとアルヒからは教えてもらったがそれだけでは納得いかないのが私でね…

後で色々と話してくれ、さっきの頭に声が響いているような感覚がしたあれ！

あれは一体どのような仕組みなのだろうか？｣

まあベラベラ喋るよ…気持ちはわからなくもないけど落ち着いて欲しい

というか今の私ピンチなんだよね

このまま食堂に向かえば先に行ってる幹部の方が｢あれ？あひるは？｣ってなるから

主様を探しているはずなのに何故か1人でここまで来たというのが分かれば色々とめんどくさい事になる

『(どうしたものか…やっぱりすぐにどこかに隠れないと)』

なんのためにミュウの姿になったんだ私

〈私…帰る……〉

そう言って主様の肩から離れると姿を消した

ミュウというのは色んな能力がある新種のポケモン

姿を消したり変えたりと色んなことが出来るからね

グ｢まっ…待ってくれ！｣

〈…これあげる、きっといつか使う日が来る〉

そう言ってその辺に落ちてた小石を拾って力を込めるとそれは性質そのものを変えた。

力の籠った小石を渡して逃げるようにその場から離れると、草むらに身を隠してそこから人間の姿に戻った。

『フゥ…ようやくあれを渡すことが出来た』

溜息をつきながら立ち上がると私は主様を探すフリをした

『(あっ…いた)

主様！ようやく見つけましたよ…』

右手に何かを握ってぼーっとしている主を見て少しだけ不安になった

だから少しだけ声を張って話しかけると、ようやくハッとしてこちらを見てきた

グ｢アルヒ…か｣

何か言いたい事があるようなそんな顔をする主様を見て私は優しく微笑んだ

『今は食堂に向かいましょう…お話はその後ですよ』

何も持っていない方の手を優しくとって先導するように歩き始めた。