【d!】全ては我が主のために Ⅲ (ページ25)

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その122 ページ25

昼食の時間が迫ってきたので一度食堂に向かおうということになって歩いていると、やはり兵士の皆様がコソコソと私達について話すんだ。

例えば突然現れた女…これは音葉様だろう

メイド長が従う存在だからどんなものかと思えば拍子抜けだとか…馬鹿にしてるのかな？

音葉様も私も耳が良い、だからどんなに小さな声で話してようがバッチリ聞こえるんだよね

ト｢…ん？

アルヒと音葉…だっけか？｣

食堂に向かう途中にトントン様に会った

相変わらず目の下の隈が酷いな…やはり主様と話し合って強制的に休みを与えてしまおうか

『こんにちはトントン様

これから昼食の時間になりますので、音葉様をご案内した後に主様のお部屋に伺うつもりでございます。』

ト｢丁寧にありがとうな

もし良ければ音葉と一緒に食堂に行くけどそれでええか？

そしたらグルさんを早く迎えに行けるだろう？｣

まあなんて優しいのだろうか…これは命令として受け取るべきかそれともご好意か

私は音葉様と目を合わせて、トントン様なら大丈夫だと伝えるとゆっくり彼の服の裾を握った。

おぉ…進歩した

『ではよろしくお願いします』

それだけを伝えて私はくるりと方向を変えた

主様は今頃書類を纏めているのだろうか…それとも脱出して街に行ってる？

いやでも昼食前にそれはないか

あとは……あそこかな？

周りに誰もいないことを確認するためにキョロキョロと見回して草むらに隠れると、その姿を変えた

視線は低く、周りの全てが大きく見える

『(バチュルの姿になったらそこからどんどん大きなポケモンに姿を変える…)』

様々なポケモンに姿を変えるやり方はまさにミュウである

前に会議中に｢ポケモンって本当の姿ないの？｣という議題が上がって、私とロボロ様は焦った。

とりあえず私が全てのポケモンはミュウという様々な遺伝子を持つポケモンが元であると説明してその議題は終わったけど…。

なんて話してる場合ではない

早く主様を探さないと

糸や足を上手く使って壁を登り、窓の外から主様の部屋の中を確認した。

『(いない…どこかへ移動したと考えるなら)』

仕方がない、鼻を使って探すとしますかね