【d!】全ては我が主のために Ⅲ (ページ21)

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その118 ページ21

廊下を小走りで移動して向かう先は主のいる部屋

重厚感のある扉をノックして返事が聞こえるのを待つと｢入りなさい｣と低く落ち着きのある声が聞こえてきた。

『失礼します』

礼儀正しく、それでいて堂々と部屋に入る

手に持った書類について説明をしてそれを主様に渡すとじっくりと読んでくださっている

グ｢ふむ…やはりまだ人身売買をする団体がいたのか｣

『そう…ですね……』

私は体を強ばらせた

人身売買…それは私のトラウマとも言えるものだから

あの日々は辛かったな…痛かったな

それを察して素早く話を切り替えたのは主様だった。

グ｢書類による報告書を提出…ご苦労

今から音葉を迎えに行くのだろう？

早く言ってあげなさい｣

主様の気遣いに私は感激した、そして感謝したのだ。

『ありがとうございます…では失礼します』

今度主様からスイーツのリクエストでも貰って何か作るとしますかね

内心ルンルン気分で部屋を出ていくと私は走って訓練場へと向かった

廊下を小走りで駆け抜けて出た先に広がるのはあらゆる設備の揃った訓練場だった。

私もよくゾム様との護衛術の訓練でここをよく使ったものである

『音葉様は…いましたね』

それはガタガタと怯えながら木の影に隠れる少女だった

彼女は私を見るなり顔を明るくしてダッシュで私に抱きついてきた…地味に痛い

音｢アルヒさん！

無事だったんですね！｣

『音葉様…貴方もご無事で何よりでございます』

優しく頭を撫でながら場所を変えるために歩き始めると、目の前に現れたのは複数人の幹部達

ショッピ様の他にもコネシマ様やシャオロン様、ゾム様やひとらんらん様もいる

『これから訓練ですか…私は音葉様を部屋にご案内しますので失礼します』

ゾ｢相変わらずのお堅い口調…なんも変わらんなぁ‪w‪w｣

ケラケラと笑いながら私の頭を撫でてくるゾム様の手を優しく払うとシャオロン様が私に話しかけてきた。

ｼｬ｢実はさっきまで音葉に歌について教えてもらおうとしてたんよ

でも見ての通りまあ怯えちゃってさ〜｣

そりゃあ誰が味方かなんて分からないこの城の中で貴方達を信頼するのは難しいなんてものじゃないでしょ

歌ねぇ…じゃあこれからメロエッタになって歌ってやろうか

とにかく今は音葉様を部屋に案内しなくては