[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ5)

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五十五話ページ5

Aと別れてズイの遺跡に向かった少年テルはユウガオに話しかけた。

｢ユウガオさん、これ取り返してきました！｣

｢あなた…わざわざ取り戻したのかい？

なんで他人のためにそこまで…｣

他人の為だから動く、それはいずれ自分に返ってくることをテルは理解していたからこそ人のために大切なものを取り返した。

それは生まれた時代の心持ちが彼を動かしたに過ぎないのだ。

｢ガチグマが暴走しているのは何か理由があります。それをちゃんと理解して解決すれば皆が安心して暮らせる…その為に僕達は動くんです。

それが調査隊ですから！｣

ほとんどAの受け売りである

彼女は彼女にしか出来ない方法で調査隊の使命を全うしている。

ならば後輩である自分もそれを全うするんだ。

真っ直ぐな目でユウガオを見つめるテル

｢…わし以外にガチグマのことをそんなに思う人がいるとはね｣

｢それはAさんだって同じです！

Aさんだって今、ガチグマの様子を見に行くという危険な事をしていますから｣

ユウガオは俯き彼女を思い出した

あれ程の事を言っておきながらもガチグマを諦めずに自分の力で謎を解明しようとするその姿勢に対して自分は何ということをしたのか。

受け取った石版を元に戻し復元されたそれに浮かぶ文字を読んだ。

｢全ての命は別の命と出会い何かを生み出す

幾度のように読んでいたのにようやく真の意味を理解するとはね…これもシンオウ様のお導きならば…｣

刻まれているものは本当に取り戻す程のものだったのか、それをユウガオは今一度考え直した。

そして決めたのだ

｢テルと言ったね…そしてもう一人の小娘はA

ガチグマの為にも力を貸してちょうだい。｣

少年テルの努力は報われた

1人の老婆の凝り固まった考えを変えることが出来たのだ。