[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ30)

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八十話ページ30

さざ波の音が耳を癒し目を閉じる

流石にここまで来るのは疲れるな…というかまだ骨がくっ付いてないのに無理してここまで来たんだよね。

『いてて…ギャラドスが帰ってくるまではここに居るか。』

〈もう…ヌメルゴンも潮風の影響で出せないしゴウカザルは水に弱いから論外！

やっぱり僕がいないとAはダメだね〜〉

私がその場に座る為だけに出てきて支えてくれる相棒のライチュウは何故か誇らしげに胸を張って笑ってる。

『あなたはいつも調子に乗る…でもありがとうね

きっと今頃テルは盗賊三姉妹と戦ってるのかしら。』

火吹き島に現れる幽霊の正体については何となくわかってはいたから前もってウォーグルに調査をお願いしたのだ。

予想はビンゴ、それを知らせるためにテルを追いかけ群青の海岸にやって来たのだがどうやら遅かったみたい。

一体しかいないガーディとソワソワと落ち着かないガラナさんの待つイチョウの浜辺に来て察したよね。

だからガーディとガラナさんを火吹き島に行かせるためにギャラドスを出した。

あの子は改心していい子になったよ…おかげで水上での調査がグッと楽になったんだから。

〈お嬢、海辺は日陰がないので私が日傘になります。〉

『勝手に出てきたのは感心しないがありがとうねウォーグル。』

まるで執事のように私の身の回りを世話したがるなこの鳥

翼を広げて優しく笑うウォーグルに対してライチュウはムッと頬を膨らませていた。

〈こんの野郎…！お前はいつもAに近いんだよ自重しろ！〉

〈おやおや…負け犬ならぬ負けネズミがなにか言ってる。〉

こいつらは私を挟んで喧嘩するのがお好きなようで…ふざけんな。

溜息をつきながら2体をボールに戻すと、代わりに他のポケモンをだしてベースキャンプ場に戻ろうと言った。

白から赤のグラデーションが綺麗な毛並みのポケモンは私を割れ物のように優しく扱ってきた。

〈まだ怪我治ってないのに…〉

『平気よ。それに呆れながらも私に力を貸してくれる仲間がいるから

あなたもよ、ゾロアーク』

彼女はうちの仲間の中で一番の最年少だ。

純白の凍土というエリアを調査した際に、母に先立たれたゾロアの赤ちゃんが成長してこうなった。

怖がりで泣き虫な末っ子はいつの間にか私を支えてくれる大切な仲間になった。

『ありがとうね…私の大切なゾロアーク』

お母さんとの約束を守るためにずっと一緒にいるからね。