[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ17)

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六十七話ページ17

大怪我を負った私に後ろから話しかけるとか…これで驚いて転んで怪我悪化させたらどう責任をとるんだ。

いや…この人額に傷が出来ただけで結婚しようとか言い出したんだっけ。

｢お前さ…ちょっと前までヤバい状態だったのによくそれで調査行こうとするよな。｣

『まあ調査隊ですから…それより何故セキさんはこんな所にいるんですか。』

よくまあこんな広い湿地帯で私を見つけられるよね。

深く息を吐きながらゆっくりと椅子がわりになりそうな岩に座ると空を仰いだ。

｢お前は自分勝手に生きるのが好きだな…まるでニャルマーみたいだ。｣

あ〜…まあ確かにニャルマーは猫系のポケモンだからね。

要するにマイペースだって言いたいのか。

『そうだ…よく私を見つけましたね。』

｢お前が目覚めるまでキャンプ場に居たのに勝手に外に出たのはお前だろ。｣

なるほど何も言わずに後ろから着いてきたのね、だったら見つけるも何も無いよな。

風に吹かれて安らいでいると私の隣に座って頬を優しく撫でてくれる暖かい手に意識を向けた。

『なんですか…そんなに優しく撫でるなんて』

｢お前が倒れた時心臓が止まるかと思ったんだ

あの時みたいな事は二度とごめんだと思っていたのにこのザマ…失いたくないのに失いそうになる。

だからいつでも傍にいて欲しくて結婚しろなんて言って…良く考えればお前の気持ちを尊重出来てなかった。｣

あっようやく気づいた？

ふっ…と鼻で笑って頬を撫でる手を取ると気にしすぎだと言ってやった。

『あなたはせっかちなんですよ…でもとても暖かい人なのは知ってますから。

私を想う気持ちは受け取りましたよ』

にっこりと笑って左目で彼の瞳をじっと見つめれば、優しく抱き寄せられて割れ物を扱うような頭の撫で方をされた。

｢もう一度言う…俺と結婚してくれないか。｣

『だから何故そうなるんですか。』

どうしよう…この人全く成長してないんですけど

だからぶっ飛んでるんだよ

呆れて一度離れると私だけが立ち上がってセキさんの顎を掴んでクイッとあげた。

『結婚はまだ受けませんよ…でもお友達ならなってあげます。』

ニヤリと勝ち誇ったような笑みを浮かべればぽかんとした顔をして固まってしまった。

私達は今日から友達

いずれこの感情がドロドロとしたなにかに変わるのだけは…嫌だな。