[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ15)

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六十五話ページ15

戦場の真ん中で粉をもろに吸ったゴウカザルは今まで見せたことの無い位に興奮した様子を見せてきた。

このままではテルに迷惑がかかる…こうなったら手段はひとつ。

ゴウカザルの好物を投げてこちらに意識を向ければ、ニヤリと笑って手招きをする。

『来いよゴウカザル…お前の相手をしてやるからよ。』

ジリジリとこちらに近づくゴウカザルを引き寄せてどうにか戦場から引き下ろす事は出来た。

とにかく私に意識を向けているんだ。

『バカなのか好奇心旺盛なのかもうわかんないわね…。

ユウガオさん！毒除丸をください！』

遠く距離をとっているユウガオさんに向けて叫ぶとあとはずっとゴウカザルと睨み合いである。

いつもよりも攻撃に粗悪さを感じるし何より早い

何度か殴る蹴る等といった攻撃をくらったけどどういう訳か今の私はヌメルゴン並に耐久力があるみたい。

絶対に倒れてはいけないという責任感によりまだ動けるみたい。

『いい加減にしなさいこのバカ猿がぁ！』

懐に入って蛇のごとく体を捻ってゴウカザルを関節技で締め付けると少しばかり動きが止まった。

膝を地面につかせて更に固め技で攻めていると、遠方からテルの声が聞こえた。

彼の手に握られてるのは間違いなくユウガオさんお手製の毒除丸だ。

『テル！ゴウカザルの口に投げ入れて！』

｢はい！｣

ぐいっと頭を上に向けて強引に口を開けるとそこに毒除丸が綺麗に投げ入れられた。

あまりにも不味いから毒気を吐き出すまではこの口塞いでやるからな。

そんな思いでゴウカザルを押さえつけていると、ようやく吐き出した。

ピクピクと体が痙攣する程に不味いのかよ…これ

『あー…疲れた。』

｢Aさん怪我してるじゃないですか！

早く措置を…｣

そりゃあゴウカザルを組み敷いていたら怪我くらいするよ。

それにしてもどっと疲れが押し寄せてきたんだけど。

ゴウカザルをボールに戻して立ち上がると、一瞬意識が飛びそうになった。

なんでこんな事しなきゃならんのだ。

『テル、ドレディアは鎮めたの？』

｢どうにか…さすがにゴウカザルが戦場に乱入してきた時には驚きましたよ。｣

だよね…こんな頼りない先輩でごめんね

よくやったとテルの頭を撫でながら戦場に戻ると、コンゴウ団とシンジュ団が仲良くやってた。

これが見たかったんだよね

いがみ合っていたふたつの勢力の関係が少しずつ解されていくこの瞬間が一番好きだ。