[ポケモン]捨て子から始まる異世界転生物語Ⅱ (ページ1)

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五十一話ページ1

最終的に傷だらけテルを背負ってベースキャンプ場に到着した時には、皆に心配された。

さすがにここまでの険しい道程をけが人に歩かせるほど私は酷な性格をしていない。

すぐに治療の指示を出して私自身も水の用意とかをした。

｢Aさん、僕を見つけてくれてありがとうございます。｣

『唐突ね…あなたがいなくなったら警備隊がバタバタしますから。』

素っ気ない態度で手ぬぐいを濡らすと傷口の泥を拭って薬を塗った。

本当に骨折とか捻挫をしなくてよかった

場合によってはシンジュ団のキャプテンに会う日を延ばしていたかもしれないし。

『明日、動けそう？』

｢この程度なら何とかなりそうです。

明日はシンジュ団のキャプテンに会いに行きましょうね。｣

君が強い子で良かったよ

丁寧に包帯を巻いてキツくないかを聞いてから自分のテントに戻るために救急キットを片付けた。

｢そうだ…これ今日まとめたポケモンの調査結果です。

お時間がある時に見てもらえると嬉しいです｣

そうだった…私は彼の任務を補佐するとはいえ上司にあたるのだから確認はしないといけないんだった。

『ありがとう、出来るだけ早く確認して返すわね。』

まとめられた書類を受け取ってテントを出ると、心配そうにラベン博士が話しかけてきた。

｢テルくんの状態はどうですか？

明日の調査は出来るのでしょうか…｣

この人はテルが心配なのか明日の調査が心配なのかわからないな…。

怪我に関しては今後に支障は出ないことを説明して、明日はキャプテンに会いに行くと言えばラベン博士は目を丸くしていた。

｢明日にはもう復帰するのですか…！

わかりました。私もテルくんとAくんのことを全力でサポートします。｣

そうして貰えるとありがたい

とにかく今日は寝よう

一人しかいないテントの中で横になる、眼帯は外すことは無い、決して油断してはならないのだ。

この目を見られる訳にはいかない…もう二度と失敗はしない。

そう胸に決意して目を閉じたのだ。