だれかさんのりんご ページ9
此処はいつもの研究室。
窓際に、美しい香水の瓶や何も入っていない写真立てが並べられ、その中に一際目立つぴかぴかの林檎が置いてあった。
「全く、梶井の奴めは使いもせぬものをやたらと買いおって……」
雑然としていながらも法則性のある物の置かれ方をした部屋の中、紅葉は目ざとく林檎を見つけた。
「おや、あやつが檸檬以外の果物を飾っておるのか?」
真っ赤なつけ爪の乗った指先が林檎を摘まみ上げる。
紅玉と呼ぶに相応しい果実は、紅葉の口のすぐそばまで持ってこられた。
「……どうせ梶井は林檎など見向きもせんじゃろうて。であれば、私が食べても何ら問題はなかろ」
自分に言い聞かせるかのように呟く紅葉。
暫くぶつぶつと何かを云っていたが、そのうちに鼻腔を刺激する甘い芳香に耐え切れず林檎に噛り付いた。しゃく、と心地よい音が響く。
「矢張り美味じゃ!しかし、一体どういう風の吹き回しで……」
齧りかけの林檎を手にした紅葉の後ろで、扉が開く音がした。
「……紅葉さん?」
彼女が振り向くと、梶井が呆然とした様子で立っていた。
梶井は紅葉の手から林檎をもぎ取り、無言のまま殴り掛かる!
「か、梶井!?」
「……僕の嫌いなものは表通りとジャズ。そして、僕の愛しているものを侮辱されたり破壊されたりすることだ!」
梶井は紅葉の下腹部をあらん限りの力で殴った。
「君は、僕が窓際に作っていた美の均衡状態を破壊した。そして、宇宙大元帥から頂いた林檎を齧った!君の行為は、この梶井が許さないよ」
先程の衝撃で倒れた紅葉を梶井が蹴り飛ばす。
「さあ、君の死の色を見せてくれ!」
ラッキーアイテム
檸檬
ラッキーカラー
あずきいろ
あしたの運勢
顔がでかくて……首が太くて……足が短くて……ちょっとずんぐりむっくりwwな感じぃする、頑丈な体になるのが明日のあなたです。
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アルみかん(プロフ) - 最高ですね!メソポタミア引っかかりましたw (2019年3月14日 16時) (レス) id: d96a4d4603 (このIDを非表示/違反報告)
沙月(プロフ) - おかぁーさーん!また、かじいさんとこーよーねーさんがチューしてるよー!(二回目の幼稚園児か)にしてもあしたの運勢が…ヤバイ。 (2019年3月8日 22時) (レス) id: b7d8d46a43 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 社長と首領推しを増やし隊さん» 紅葉「それは善かった。ところで……何か良いネタはあるかの?」 梶井「うわははは!呟きがせいぜい80種類程度だから、同じネタがちょいちょい挟まるんだ!というわけで、明日僕の部屋においで!」 (2018年10月29日 19時) (レス) id: 1feef1598f (このIDを非表示/違反報告)
社長と首領推しを増やし隊(プロフ) - bot見てきました。面白い(笑)ところで私は明日、つつがなく梶井さんに撲殺されるようです(´・ω・ ) (2018年10月29日 9時) (レス) id: df1800325d (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - カプチーノさん» 梶井「それは有難い!よぅし、君をこの梶井の助手にしてあげよう!」 鴎外「大抵の場合、助手と言う名の被験体にされるのだけれどね」 (2018年10月27日 8時) (レス) id: 131a596780 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キューブ | 作者ホームページ:
作成日時:2018年6月13日 21時